子どもたちの学習支援をしている鳥羽見寺子屋では、中学生向けに「愛知全県模試」、小学生向けに「小学ぜんけん模試」を定期的に開催しています。
鳥羽見寺子屋は、かつての寺子屋のように、富裕層のエリートではなく一般市民を対象とした学びの機会を提供する場です。
そのため、寺子屋参加に条件をつけず、模試に関しても、外部受験者も受け入れています。
「学校では成績がいいから塾に行ってない、でも模試は受けたい」という子が比較的多いです
公立中高一貫校とは?
愛知県では、2025年度入学から、公立中高一貫校が開校します。
それに合わせて、2023年度より、愛知全県模試を主宰する学悠出版株式会社が、公立中高一貫校を志望する子向けの模試を始めました。
とはいえ2023年度は問題サンプルもなかったので、小学ぜんけん模試にさらに追加で他の都府県で実施されている公立中高一貫校でよく採用される「適性検査」型の試験を追加するという形で実施しておりました。
2024年度からは、愛知県教育委員会が出した試験の形式やサンプルなどを踏まえ、より実際に近い形式の模試に変更されて実施されることになりました。
愛知県の公立中高一貫校とは?
全国的にはかなり一般的な公立(都道府県立)の中高一貫校ですが、愛知県では2025年度よりはじめて開校します。
全国的には結構たくさんあって、愛知県は42番目だそうで……「学区制」がなくなった首都圏にはかなりあるそうです
公立中高一貫校は、私立の中高一貫校と異なり、中学は義務教育のため授業料がかかりません。
また、私立中と違って、入試(とは言いませんが)の内容は、学校で習った範囲までと定められているため、私立中受験でしか使わない受験テクニックが必要ないため、必ずしも中学受験塾に入れなくても受かる可能性があるとも言われています。
逆に言えば「地頭の良さ」は求められます…
そういう意味で、「私立中受験までは…」「地元の公立中では…」というご家庭にとっては、選択肢に入れやすい中高一貫校です。
ちなみに国立の中高一貫校は、名古屋大学教育学部附属中学校があります。
中高一貫ではないですが、愛知教育大学附属名古屋中学校も国立の中学です。
ちなみに愛知県ではこれから導入という段階なのでまだまだ先かと思いますが、首都圏では公立中高一貫の専門塾もあるようなので、愛知県でも今後そういうところが増えていくかもです。
結局、公立でも親の経済力で決まるように…
新規開校する中高一貫校
2025年度に新規開校するのは、明和、半田、刈谷、津島の4校です。
*明和は普通科だけでなく音楽科も中高一貫に
2026年度には豊田西、時習館、西尾、美和、日進、愛知総合工科の6校が追加されます。
基本的には学力が高い高校(探究学習型、スーパーサイエンスハイスクール導入校)が手を上げており、併設型(高校でも受験で入れる)になるため、人気・偏差値の高い高校に中学から行ける、というのがメリットとして考えられております。
逆に言うと、中高一貫の子がそのまま高校に上がるため、これまでと比較して高校受験の合格者の枠が減る、ということも大きいです。ですから、どうしてもその高校に行きたい!という場合は中学から狙うのがいいでしょう
中には、愛知総合工科高校の中高一貫校では、AIやデータサイエンス人材を育てるというコンセプトがあったり、高校の定員割れが起きている日進では、人数が少ないことを逆手に取った不登校特例校として、不登校の子に合った高校にしたりなど、今後はさまざまな形の中高一貫校が生まれて行くと言われております。
とはいえ少なくとも2025年度に入学する、特に名古屋圏に住む人にとっては、「明和中高一貫」という選択肢しかありません。
入学するためには?1次選抜
公立中高一貫校は「入学試験(入試)」といわず、「適性検査」というかたちで入学者選抜を行います。
学校教育法によって入試による学力検査は禁止になっており、あくまでも入学後に授業についてこられるかという「適性(というか能力)」を見るためです。
1次選抜はペーパーテストですが、よくある「丸暗記でなんとかなる問題」「計算だけの問題」とか、私立中受験にあるような「中学受験でしか出ない問題」みたいな問題ではなく、長文や資料を読んで考えてもらう、つまり「思考力」「判断力」「表現力」が備わっているかを問う内容になっています。
公立高校入試でもそうですが、愛知県教育委員会の考えとしては、担当者に話を聞いても、「選択式問題でも思考力は測れる」というスタンスで一貫しておりました。
長文記述などは「塾などで対策できるから」採用しないみたいですね。
また、国語・算数・理科・社会と別れておらず、教科をまたぐものもあります(英語はふくまず)。
算数と理科を合わせた問題、資料の読み解きなどです
なお、他の地域でもそうですが、適性検査は「適性検査Ⅰ」と「適性検査Ⅱ」の45分のテストを2回実施することになっています。
2次選抜は面接!
1次選抜に合格すれば、次は面接となります。
今のところ1次選抜は「募集人員の2倍程度を合格とする」としているので、面接で半数が落ちる計算になります。
志願理由書の内容を踏まえて、自身の体験を語るリフレクション型の面接を行うそうです。
大学入試や就職面接で行われるやつで、中学受験では聞いたことがないそうです…
明和の音楽コースは2次選抜は行わず、1次選抜としてペーパーテストに実技試験、面接があります
調査書は?抽選は?
入試だと調査書(通称内申書とも呼ばれるヤツ)が求められますが、小学校の負担も鑑みて、愛知県では調査書を求めず、通知表だけでいいということです。
そういう意味では、塾でガッチリ対策してきた子というのではなく、「普段から優秀」「普段から学びに前向き」な子を求めているとも言えます。
なお、愛知教育大学附属名古屋中で行われているような、選抜者に対しての「抽選」は行わないそうです。
逆に「今どき抽選て…」という気もしますけど。
中高一貫校チャレンジ模試
愛知県中高一貫校チャレンジ模試とは?
ちなみに2025年度に開講する愛知県立中高一貫校向けの「愛知県中高一貫校チャレンジ模試」は、本番でも実施される「適性検査(45分×2)」方式で実施し、税込4,400円となります。
公立中高一貫校は「入試」とは言わず、授業についてこられる適性があるかをチェックする、「適性検査」といいます。
なお、2024年度から*、小学ぜんけん模試とは異なり、この適性検査をイメージした問題やることになりました。
*2023年度は試験方式が公表されていなかったため、小学ぜんけん模試+適性検査でやっていた
中高一貫校チャレンジ模試を受けるメリット
小学ぜんけん模試は中学入試の想定をしていませんが、愛知県中高一貫チャレンジ模試は、中高一貫校の適性検査を想定した問題になっているので、本番に近い形式のテストの練習になります。
他の県の公立中高一貫校の適性検査は、マーク+記述という形式が多いのですが、愛知県立中高一貫校は日本で唯一、記述ゼロの全問選択式となり、チャレンジ模試は完全にそれに合わせた形式にしてあります。
また、志望する公立中高一貫校を選べて、ライバルがどれくらいいるか? ということを分析してくれます。
↓は中高一貫チャレンジ模試の成績表の一部(見本)ですが、志望校「明和中学」に対して、同じ志望校の子たちとの成績比較が行われています。
予想では初年度の明和中学の受験者の倍率は20倍くらいになるとも言われていますので、そこまで行く気がなく、結果も芳しくないなら
あくまでも模試を受けた子の中で、ということなので、実際はもっと厳しいということも想定しないといけません
どの得点帯にいて、上にどれくらいいるかがわかります。
ちなみに「度数分布」は今の子どもたちは算数や数学で習うので、子どもたちの方がわかるかも?
あとは、小6だと年間6回も模試が受けられるということで、塾に行っていない子でも対策がしやすいのもよいところでしょうか。
寺子屋では全部の回を実施せず、中学の愛知全県模試実施のスケジュールに合うときだけ実施します
デメリット~公中検模試は?~
適性検査は過去問ベースのものと違って、似たような問題が出るとは限りません。
そのため、模試だけ受けても「立ち位置」はわかるし、実際の時間配分や雰囲気がわかるけれども、「対策」には十分とは言えません。
そういう意味では、適性検査向きの学習だけでなく、普段からの読書、新聞やニュースでの情報収集、課題について考える学びの意識などを持って生活することはもちろん必要でしょう。
演習も有効なので、適性検査型の演習用塾教材なども取り扱いがあります。必要な方はご相談くださいませ
また、全県模試のノウハウはあっても、全国で公立中高一貫校向けの模試を展開する、「公立中高一貫校適性検査対策模試(通称、公中検模試)」ほどのノウハウはないので、問題分析が甘い可能性があります。
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とはいえ、愛知県公立中高一貫校適性検査を作るのは、公立高校の入試問題を作る愛知県教育委員会なので、傾向や狙いに対してのアプローチは得意と思われるので、どっちもどっちというところかもしれません。
まぁ、問題を見ていないので分析のしようもありませんが、「フタを開けてみないとわからない」というのが現状のデメリットでしょうか。
ちなみに公中検模試は寺子屋でも取引のある塾教材会社さん経由で取り寄せも可能なのでやれなくもないのですが、大学などの受験会場で受験もできるので、あえて寺子屋でやる意味を見出せないな、と思ってやる予定はないです……。
寺子屋でやった方が料金は安く出来るんですけどね。
鳥羽見寺子屋での愛知県中高一貫校チャレンジ模試の参加について
鳥羽見寺子屋の会場は2024年2月よりMOGU-teの2階になり、模試受験者数が少ない場合はそこで、受験者が多ければ、鳥羽見コミュニティーセンターの会場(基本、会議室)を借りて実施します。
模試受験の流れ
寺子屋では下記のような手順で実施します。
- 模試申し込みフォームから申し込み
(自動返信があれば申し込み完了) - 当日、受験料をお支払い
※4,400円+施設利用料200円。
※結果の郵送希望の場合は+370円 - 試験を実施
- 試験終了時に解答解説を配布
- 後日、成績表のお渡し(約1ヶ月後)
※郵送希望の方はレターパックでの郵送
ご不明点あれば遠慮なくお問い合わせください
現在受付中の模試
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