『鳥羽見寺子屋』設立の経緯

鳥羽見小学校 PTA会長・
鳥羽見学区連絡協議会 子ども育成対策委員長

高橋忍より『鳥羽見寺子屋』設立の経緯をご紹介いたします――

現代の子どもたちが抱える問題は、かつてのように、「いじめ」「自殺」「非行」だけでなく、「不登校」「スクールカースト」「孤食化」「教育格差」など、より社会的な問題となってきています。

私自身、鳥羽見小学校のPTA会長、学区連絡協議会子ども育成対策委員会の委員長として、そういった問題に対して、常々「何とかできないか?」と考えていました。

とはいえ私自身も、小学4年生の娘を持つ父親でもあり、学校では小学校4年から、国語や算数を中心に一気に難しくなり、勉強について行けなくなる子が出始めるそうです※が、わが娘もご多分にもれず、ついていくのがやっとに。
※『9歳の壁』や『小4ビハインド』と言うようです

かといって、親が勉強を見れば感情的になるもので、つい言い方がきつくなり、子どもは子どもで親に反発しはじめる年頃で、何をしてもうまく行かず。
結果、子どもの「わからない」がそのままで、「このままで大丈夫だろうか?」という不安な日々

 

周りの親仲間に相談してみても、同じような悩みを抱えているだけでなく、

「塾に通わせる経済的余裕がない」
「通信教材を与えたがまったくやらない」
「仕事をしているので教えてあげられない」
「塾に入れたが塾にもついていけない」

などの声も上がり、これはまさに「地域の問題」でもありました。

そんな時、自分の会社で、とてもわかりやすい従業員研修をしてもらったこともある、友人の田中聖斗氏に娘の勉強を見てもらうことにしました。

もともと、氏は、大手企業で従業員研修や資料作成などをしてきた、大人相手とはいえその道の「達人」なので、きっと「わかりやすく教えてくれるだろうな」位に思っていたのですが、たった2時間で、娘が「とてもわかりやすかった。次はいつやってくれるの?」と言うくらい、勉強に対して前向きに

我々夫婦があれだけ手を焼いていたのに、「一体どんな魔法を?」と思っていたその夜のことでした。

氏からメールで、

娘がどんなことにつまずきやすく、
どんな風に教えたらやる気が出る子なのか、
親がどんな導き方をしてあげるのが最善なのか、

一般論ではなく、わが娘の性格や特徴を踏まえつつも、それでいて子どもの目線に立つ「とても熱い」アドバイスが送られて来たのです

 

一人の親として、その心配りと教育への熱い想いに感激すると同時に、つねづね、地域が抱える子どもの問題に向き合っている者として「これをぜひ地域に活かせないだろうか?」という考えが浮かび、そのことを氏に相談しました。

聞けば氏は、大学で「まちづくり教育」を専攻し、地域が抱える問題にも精通し、なおかつ教育についても見識があり社会人経験の中でそれを生かしてきたこともあるようで、氏から、それならば

江戸時代の寺子屋のような『地域が子どもを育てる』仕組みを作ってはどうか?」と提案されたのです。

そして氏は、独立したばかりで時間に融通が利くこと、社会貢献を事業に取り組んでいること、子どもたちの未来のために貢献したい気持ちが強いことから、それを自らがやってもいいと、子どもたちのこと、家庭の親御さんたちのこと、そして地域のことを、微に入り際に入り考えた『鳥羽見寺子屋プロジェクト』を提案してくれました

 

我々、学区連絡協議会の子ども育成対策委員会としても「キッズクラブ」と題し、地域の子どもたちのために様々な取り組みを始めており、この『寺子屋プロジェクト』こそまさに我々が支援するべき取り組みだと感じ、連絡協議会を中心に、地域の人を巻き込みながら準備を進め、ついに、念願だった2017年内スタートを切ることができました。

なにぶん、新しい取り組みのため様々なことが起こるとは思いますが、それでも、この、「寺子屋」という取り組みを通じ、今一度、地域として子どもを育てていくことは、子どもたちの笑顔のため、そして地域の明るい未来のためになると確信しています。

平成29年12月吉日

名古屋市立鳥羽見小学校PTA会長・
鳥羽見学区連絡協議会 子ども育成対策委員長

高橋 忍

⇒次ページ「指導スタンス」