寺子屋の日々是好日

このままこれが当たり前になりますように

コロナ禍になって多くの子どもたちの行事ごとが被害を被りましたが、寺子屋に来る子どもたちの間で本当によく出ていた話題が「修学旅行は行けるのか?」というもの。

野外学習系の「中津川」「稲武」※は、アウトドア苦手な子もいるので、なくなることで「ラッキー」という子もいたりしますが💦、さすがに修学旅行は楽しみにしている子がほとんど。

※名古屋市では、小5で行く中津川野外学習センター(岐阜県中津川市)、中2で行く稲武野外学習センター(愛知県豊田市稲武町)がいわゆる「林間学校」に相当します。どちらも管轄は名古屋市教育委員会の、名古屋市の施設です。

ここ、名古屋市の場合の修学旅行先は、小学校は「京都・奈良」、中学校は「東京(ディズニーランド含む)」というのが定番コースなわけですが、コロナ禍のせいで、今の高2~中3の三世代が、東京行きがなくなったというかわいそうな修学旅行になりました。

いやね、「富士」とか「志摩」とかが悪いというわけじゃないんです。

それに東京だけが旅行ではないのですが、自分の力ではなかなか行けない遠い所に行くというのが、子どもたちにとっての修学旅行の目的の一つなわけで。

「富士」とか「志摩」とかはやっぱり近いんですよねぇ、名古屋からは。

心理的に「日常の距離」の延長線上にある、というか。

非日常の中の学び、というのが修学旅行の趣旨でもあるし(学習指導要領にも書いてある)、そういう意味で、名古屋から東京という距離は非常にちょうどよい。

もちろん、昔と違って今は結構多くの家庭で東京ディズニーリゾートとかに行ったりするようにもなり、先日の三連休とかでもディズニーだとかUSJに行ったという子どももいましたけど、学校として行くのはやっぱり違うんですよね。

親がいないというのもあるでしょうし、「勉強」するための学校で、「遊び」に行けるという背徳感みたいのもあるでしょうし、とても「修」という感じではないのですけど、それでも、子どもの立場からすると、特別なこと。

 

それが「奪われた」ことに対して悔しい想いをした子もすでに高校2年生。

今度はいかもに修学旅行らしい「沖縄」に行った、ということで、おみやげをおすそ分けしてくれました。

いやぁホント、高校でも行けなかったらかわいそすぎでしたが、いかにもな所に行けてよかったですね。

さて、そんなおみやげのシークァーサーガムですが、子どもたちに配ると瞬時でなくなりました😅。
(渡せなかった子ゴメンナサイ)

やはり沖縄文化というのは子どもたちになじみがなかなかないので、「シークァーサー」自体を知らない、という子どもも結構いて、「こういうものなんだ」と初めて経験する子もいました。

いやまぁ、本物じゃないんだけど、それでも「こういうものがあるんだ」と知ることは、子どもたちの「狭い世界」を広げる大事な経験の一つですからね。修学旅行もしかり。

もちろん、それだけですべて解決するわけではないですが、知らないことを知ろうとすること、理解すること、受け入れること、そういったことができるような人になってほしいですね。

そしてそれを大人になっても持ちつづけてくれれば、世界から争いはなくなるのですが・・・。

それだけに「教育」って本当に大事なんですよね、勉強だけでなく。

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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