昨日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとして、東日本ではJアラートが鳴ったそうですね。
それについて、SNSで一瞬、「北朝鮮のミサイルで雨雲レーダーの雨雲に切れ目ができた」という情報が広まりました。
SNSで拡散された「気象レーダーの切れ目はミサイルの軌道」は誤り。 | Business Insider Japan
10月4日、早朝、北朝鮮がミサイルを発射したとして、Jアラートが発出されました。SNS上では「ミサイルの弾道では?」として、雨雲レーダーに切れ目がみられる画像が拡散しています。ただ、これは誤りです。
上記の通りもちろんこれはデマで、もともとこのエリアは四六時中雨雲が映らない、雨雲レーダーの「死角」なんだそうで。
でも、SNSで投稿した人もたぶん、悪気はなかったんでしょうね。
Jアラートで携帯が鳴り出し、北朝鮮側から飛んできたようにちょうど見える軌跡があったので、
「えっ、雨雲レーダーに切れ目がある!」
「ミサイルが発射したからそれか!?」
となったのでしょう。
ちょうど北朝鮮側の方が広がっているので、なおさらそれっぽく見えたのでしょう。
そもそも、ふだんからこの地域の雨雲レーダーを見ていれば「死角」があることに気づくでしょうから、
「いやいや待てよ、ここはいつもこうなるわ」
で終わる人がほとんどだと思います。
しかし、住んでる地域じゃないとか、そうじゃない人にとっては「初めての情報」になるので、
「えっ、そうなの!?」
と信じた結果、その自分の気持ち(主観)を投稿して、それが拡散していったと。
たしかにこの東海地方でも、レーダーの死角というものが存在しない地域なので、こういった現象を初めて見た人は「ミサイルかも!?」と思うのも無理もないかなと想いはしますが、
そもそも知識があったり、飛行機で雨雲に入ったことがある経験があれば、「雨雲」というのは分厚い雲で、それがミサイルが通過しただけで何十キロにもわたって消え去るというのはおかしいとすぐ気づくでしょう。
でも、切りとられた「主観」だけをもって、価値のある情報ととらえてしまったがために、ちょっとした騒ぎになってしまったのです。
あくまでも、情報は切りとられた「主観」です。
子どもたちが大好きな、2ちゃんねるの創業者のひろゆきのパワーフレーズ、
「それってあなたの感想ですよね?」
ではありませんが、雨雲レーダーに切れ目があるからミサイルの跡だというのは、主観的な感想でしかないわけです。
そしてその根源には、「いい情報を発見した!みんなに知らせて褒められよう」という意図があるのです。
これは実は国語の問題にも言えます。
国語の問題って、基本、一部を切り抜いたものですよね?
それは、作問者の主観的な意図で切り抜かれたものです。
作家の意図ではありません。
そして、国語の点数がいい人は、こういうことがわかっているので、自分の感想はさておき、切りとられた文の中から考えて、情報を正しく読み解くことができる。
つまり、「読解力がある」ということですね。
残念なことに、国語が苦手な人はこういった習慣ができていないので、主観的な情報に振り回されがちです。
これは何も日本に限ったことではなく、政治家に扇動される人たちなんかが良い例ですね。
読解力があれば、こういった誤情報に引っかかりにくい人生が送れる、というわけです。
だから、「読解力」を甘く見ないことです。
鳥羽見寺子屋では「国語塾」と称して読解力強化プログラムを始めましたが、大事なんですよ、ホントに。
無意味だったらやりませんよ!