毎年恒例の、愛知私塾協同組合さん主催の「愛知県私立学校合同説明会」に行ってきました。
朝イチのセミナーは、公立入試動向分析でしたが、データが細すぎて、眠る人が周りにチラホラ・・・。
塾講師は夜型の生活なので、9:20からはなかなか大変なんでしょう
通信制が伸びているのは間違いない
さて、細かいデータはさておき、全体的な傾向として、やはり全日制の高校を志望する人の割合が少なくなり、通信制や定時制が年々増えているようですね。
割合はなんと全体の9%まで来たとか。
親御さん世代では考えられない話ですが、やはり2016年に開講したN高の影響が大きいようで、2018年に注目されてから、他の通信制高校も注目されてるようになったと、肌感覚だけでなく、データでもハッキリ出ていました。
今年は専修学校(専門学校の高校版)の志願者よりも、通信制の志願者の方が多くなる見込みだそうです
進学塾さんは別として、この辺の選択肢も踏まえて進路指導が必要なので、この辺結構、親御さんも先生も大変ですよね。
他人事でもありませんが💦
情報を得るために必死
そんなわけで、常に最新の情報を手に入れるため、セミナーの後は、皆さん各高校の個別説明会に参加。
それにしても、コロナ明けで予約不要、人数制限なしになったからか、
凄い人!!
いくつかの部屋があり、時間帯ごとに高校が変わるので、たいがい部屋移動があるのですが、廊下が大混雑!
いつもはこの時間に各部屋を回ってパンフレットもらうということもできましたが、とてもとてもムリ。
なんならほとんどの部屋が満室でした。
いやぁ、高校の情報を得るために必死ですよ、みなさん。
塾は情報を売る仕事をしてますからね!
大きい塾なら、何人も来て手分けして話を聞く、ということも行われていました。
合格内申とか推薦基準とか教えてくれる学校もあるので、そりゃ、聞かないわけにはいきませんよね。
聞いてきた話をちょっとだけ紹介
ちなみに鳥羽見寺子屋は私1人なのですべては回れませんでしたが、聞いてきた高校のポイントだけカンタンにご紹介。あまり出してもいけない情報はさすがに出せませんが、高校選びの参考になれば。
聞いてきたのは、名古屋、市邨、享栄、大同、東海学園、至学館の6校です。
だいぶバラバラですが...
名古屋高校
数少なくなってきた男子校ですが、2024年に女子を入れるというウワサがあったそうで、冒頭でそれを全否定されていました。
理事会で検討課題に挙がったということだけど、「とりあえずナシ」ということで、来年から入る子は少なくとも3年間男子校です、とのこと。
印象的だったのは「キリスト教教育」を結構前面に出すところですね。赤十字クラブとか、ボランティア活動とか。
「人格」「文武両道」を優先する名古屋らしいといえば名古屋らしいです。
学習に関してはまぁ、他と同じ「探求」とか「思考力・判断力・表現力」みたいなものを取り組み始めた、という感じで、その辺は目新しくはないです。
短期留学プログラムは高いので、コロナ禍に始めた国内の「白馬でEnglishキャンプ」を継続してやろうか検討中、とのこと。
強調されていたのは、「選抜(いわゆる特進)」と「文理(いわゆる普通)」は同じ授業だということ。2年次に転籍も出来るそうで。
また、当日点主義なのでオール3でも入れるし、何ならそういう子でも国立大に合格してるよ、みたいな話もありました。
ごく一部かなとは思いますが・・・
ちなみに部活は全体の74%が所属し、選抜や中高一貫でも42%が所属しているとか。
個人的には、365日利用できる自習室というのは凄いなと。
ちなみにICT端末はiPadです。
市邨高校
寺子屋からも何人か行ってる市邨ですが、昨年度は525人も入学したそうで。
コース名がわかりにくいので、「アカデミック(旧特進)」「ブライト(旧文理、普通)」「キャリアデザイン(旧商業)」という理解で大丈夫です。
「エクスプローラー」コースは、最近流行の国際系学科ですが、まだ10人いないような少人数学級です。
将来的には20名くらいにしたいそうで、担任はネイティブの先生と日本人の先生ということですから、手厚いですよね(レベルはアカデミックと同等とのこと)。
特色選抜もエクスプローラーのみとのことです(作文・英・数)。
英語だけでなく数学も出来る子だと、市邨の特進レベル同等だと満足しない子が多そう、というところがエクスプローラーの少なさに繋がっていそうですね。この辺はどれだけ、市邨ならではを出していけるかでしょうか。
とにかくかなり企業努力をしているので、「繰り上げ合格や繰り下げ合格がある」「成績有料者は入学金の支払いと留め置ける」など、いろいろ工夫してやられています。
そのため、昔と違ってかなり人気が出ています。
一般は内申が低くても当日点で採るということですが、普通科でもオール3ではムリというくらいになってきたそうです。
昔からすると考えられない!
・・・と高校の方も
ちなみにICT端末はiPadです(これは市邨さんが走りなくらい力入れている)。
享栄高校
今まで志望校に入れるような子がいなかったのでまったく見てこなかったですが、初めて説明会に参加しました。
印象といえば「野球ビッグ4」「近藤真一」「110番」、という世代の親御さんも多いと思いますが、昔より全然よくなっているというのが昨今の評判です。
説明してくれたのが、最近享栄に入った、もと公立中の先生で、とにかく「とことん面倒見ます」というのがウリだそうです。
まぁ、菊華とかもそうですが、オール3に届かない子は、基本的に中学の授業についていけていないので、高1は学び直しから始まるそうです。
日本の学校は課程主義じゃなく学年主義なので、こういう子は絶対出ます。その受け皿ですね
とにかくおいてけぼりにさせない、浪人を作らない、進路を約束する、という感じの高校ですが、駅の構内や道路に先生が待ち構えているというのは、学校としてはキチンとしてるけど、生徒は・・・というところかなと。
その辺はまぁ、なのかなと
興味深いのは、学科も結構今の子のニーズに合わせていることですね。
商業科はたいがい「ビジネス○○」みたいな学科になるものの、中身はさほど商業科と変わらない所が多いのですが、大胆に「CGコース」とか「グラフィックコース(こちらは工業科)」みたいなものもあって、その辺、勉強嫌いな子たち(でも絵を描くのは好きな子たち)の受け皿になる気がします。
専門学校みたいというか、週1で朝から専門学校(名古屋情報メディア専門学校)に行くそうなので、一足早く専門的なことを学びたい、という子にはいいかなと思います。
普通科・商業科・工業科ともに1年目は共通カリキュラムで、1年からキャリア教育(進路を考えさせる教育)を行い、2年時にはいずれの科にも転籍が可能で、そこが享栄のウリだそうで。
とはいえ転籍は2~2.5割が希望するものの、日ごろの生活や成績を加味してもう少し少ない人だけができるとのこと。
まぁ、色々な事情がある子も含むでしょうしね。
ただ、選択肢が広いのは言えてます。
あと、校舎が病院みたいな新校舎になっていますね。
特進だけは別棟なのは、なんでしょうね?? 勉強に集中させたいからでしょうか。
ちなみに端末はSurface(マイクロソフトのWindowsPC)です。
大同大大同高校
来年度から、1年生は大同大学の敷地内に建てた新校舎で授業を行うとのこと。
意外なところで英語は、全国で5人という文科省の英語推進委員?のような方がおられるようで、「使える英語」を教えてくれるそうです。定期テストにもスピーキングがあって、配点は10~15点もあるとのこと。
とくに工業科は、就職後に海外の人とやりとりすることもあるそうなので、その辺のことを踏まえた英会話のレッスンをするそうです。
大同工業という企業大学が母体らしく、即戦力を育てる狙いですね。
工業科の女子はグラフィックには多いそうです。
ちなみに端末はiPadです。
説明されていた方は国語の先生で、これ(ロイロノート)がないともう授業にならないとか。
子どもたちからのフィードバックがあるのがいい、といっていたので、面倒見はいいのかなと思います。
東海学園
鳥羽見寺子屋からはちょっと遠いので、まず選択に入りませんが、とりあえず聞いてみました。
なぜか最初に市販の過去問を20冊タダで配っていました(出版社からの贈呈本?)が、そういうのを見ると、優しい学校なのかなという感じです。
とりあえず今年は行く子がいないので遠慮しておきました
東海中学・東海高校の母体となる東海学園の名を持つ高校ですが、もとは女子校ということで基本、文系メイン(大学も)。
今年度の募集から、普通科一括募集にして、1年間カナダ留学がある留学コースは廃止、特進は2年から選択、という風になるそうです。
その理由も、優しい学校らしく、特進で厳しいから普通科に転籍という「しくみ」はあるけど、人間関係のことを考えたらそれもしにくい、ということで結局ダメになる子がいるのを問題視した、ということだそうです。
推薦は7割で、近隣の中学は内申が甘めになるそうです。
端末は不明です。
至学館
鳥羽見寺子屋から最も近い高校で、学区から行く子も多い高校です。
とはいえアクセスが良いので、大変人気ですね。結構市外から来る子もいるそうで。
学科はややこしいですが、普通科は「アドバンス(特進)」「留学」「進学・スポーツサイエンス」となり、留学コースはニュージーランド出身の担任、2年次に留学&ホームステイとのことですが、費用がコロナ後高くなって350万円くらいになる予定だとか!
「進学~」は2年次に選択となるようですが、スポーツサイエンスといいつつ、運動部に入っていれば誰でも入れるそうで、思ったよりもゴリゴリしていないのか? ゴルフやらボウリングなどもやりますとのこと。
野球も強豪校ですが、誰でも入れます、とのこと。
部活で名を上げた高校なので、その辺結構部活をやっている人には色々優しいしくみがあるのかなと。
ちなみに、スポーツ推薦とは別に、普通の推薦入試の成績によって奨学特待生となり、授業料が免除になるそうです(入学後に成績が下がってもいい)。
入学金・3年間の授業料・3年間の施設維持費すべて無料になる特待生Aになると、先ほどの留学コースの高額費用もそれでまかなえるとか!
基準は中学3年二学期の5教科内申が20以上(つまり5教科オール4レベル)と厳しいですが、ふつうに考えたら至学館じゃなく東邦とか目指すレベルの学生を、うまく引き入れるしくみにしてるなと思いました。
人気のある高校は企業努力が凄いですね、やっぱ
なお、端末はiPadです。
ふり返り…
毎回というか、年々思うのですが、この、私立高校の必死の努力に対して、公立はやっと合同説明会が始まったばかりと、まだまだ「ぬるま湯」感、「お役所」仕事感があるなと感じました。
なので、保護者のニーズが満たせる私立高校の人気は、今後も続いていくんじゃないかなぁ、という気がしました。
ただ、いろいろ工夫しすぎてよくわからない、というのもありますが、その辺が、学習塾の先生の話次第で・・・となるのでしょう。
いずれにせよ、保護者(と子ども)が入りたいと「思いやすい」高校がいい高校とも言えないので、結局は自分の目で見て判断するとこともあるのは変わらないかなと。
なので、体験会や説明会には是非行くべきです!!
そういえば昨日、毎回この説明会に参加しない、我が母校の名城大附属高校の第二体育館(温水プールと器械体操メイン)が燃えてしまいましたが、来年度入学する子はこのへん間に合わないよね??
どうするんでしょう??