日本の夏休みといえば大量の宿題です。
鳥羽見寺子屋でも毎年、たくさんの子どもたちの宿題のサポートをさせてもらっていますが、世界の小学生は夏休みをどうすごしているのでしょうか?
コロナ禍で一時期話題になりましたが、海外の多くの学校は6月か7月に学年が終わり、9月に次の学年が始まります。年度をまたぐタイミングのため、なんと、2~3ヶ月の長い休みなのにほとんどの国で夏の宿題はありません。
その長い長い夏休みに何をするかというと、家族でバカンスを楽しんだりするほか、多くの子どもたちは、サマースクールやサマーキャンプというさまざまな体験型プログラムのある課外活動に参加して、思考力や判断力、コミュ力など、勉強以外のスキルを身につけます。
休みだからこそできることをするのです。
日本では、夏休みは学校の勉強に追いつくためのもの、という考えが根強く、塾の夏期講習なんてその最たる例。
しかし、多くの国ではそうではありません。
なぜなら、海外の学校は、学校の勉強に追いついていないと小学生でも進級できない、つまり留年するからです。
進級できた=学校の勉強に追いついている=夏休みに宿題は不要ということです。非常に合理的ですね。
しかし日本では、勉強が追いついていなくても、同い歳ならみんな一緒に進級するのが当たり前です。
しかし、そんな国は日本だけ*です。
*OECD「PISA result 2018」
だから、わからないまま進級して、授業についていけない子が生まれます。
つまり、宿題は「なんとか勉強についていけるように」という先生の親心なのです。
ですから、勉強がわからないのに、宿題もせずに遊びほうけるなんてかなり危険です。
かといって、学校の勉強以外の課外活動も本当に大事な経験。
思考力はもとより、世界も広がりますから、どちらもバランスよく学ぶことが、有意義な夏の「学び方」と言えるでしょう。
(本コラムは鳥羽見小学校で配布された、寺子屋通信の内容を再掲しております)