プログラミングコンテストに挑戦する子が増えてきました。
オリジナルでキャラを作ろうとペンタブレットを使って描いたり、人気のスクラッチゲームをまねしようとして、いろんなハードルの高さに挫折する子も出てきました。
いい傾向です笑。
そんな簡単に高度なプログラミングができるわけないのですが、子どもはそれがわからないので、身を持って経験することで、現実の自分にできることをコツコツやる大切さを学んでもらうことが大事かなと思います。
ゲーム作りの「大変さ」がわかってもらえるだけでも成長です
リミックス限定!リミックス賞
ふだん、寺子屋のプログラミング教室は、「プログリズム」で用意したスクラッチデータを「リミックス」して、元の素材を使いつつ、プログラム(コード)を作っていきます。
ようは、改造ですね。
リミックスされたプログラムは、基本的に自分の「作品」となりますが、元の作品は誰の作品かというのが明記されるのが特徴です。
通常のプログラミング教室は、基本的にテキスト通り作りますが、テキスト通りではなく改造も可能です。
それよりテキストを先に進める方が楽しい子が多かったり笑
そこで今回、プログラミングコンテスト2023に追加する「リミックス賞」はプログリズムのデータを「リミックス」したもの、もしくは、同じようなプログラムをそのまま流用したもの、を対象として1名表彰(賞状+図書カード500円)することにしました。
ちなみに寺子屋近くの草叢BOOKS(TSUTAYA)さんに聞いた所、図書カードはTSUTAYA内のすべてのお会計に使えるそうです(本・文房具・レンタル)。
もちろん、スタバは別ですけどね!
なお、リミックス作品を作るメリットは、素材をそのまま使えるので、面倒な素材作りor素材探しが少なくて済むということです。
リミックスから作ることで、「一からオリジナルのものを作るのは大変!」ということが避けられます。
リミックス作品の作り方見本
リミックス作品といえど、ちょこっと変えただけだと何も面白くありません。
みんな作ってますからね……
そのため、あくまでも、「素材」やプログラムの「構成」や「テクニック」は使うけど、内容は別物、とするのがよいでしょう。
ここでは、一番初めのテキスト「プライマリー」の、「チャプター6(天気予報)」を使ったリミックス作品の作り方の例をご紹介します。
同じような作品でも内容が変わるはずなので、これと同じリミックスでもOKですよ!
データをリミックスする
普段リミックスしているように、プログリズムにログインして、プライマリー⇒チャプター6に移動して「動画」をクリックして、2つめの動画に含まれるリミックスURLをクリックします。
開いたスクラッチのプロジェクト画面で、いつものように「リミックス」をクリックして、一からコードを作りはじめます。
作品名を決める
リミックスした作品の名前がかぶるとややこしくなるので、まずはプロジェクトに名前をつけるとよいです。
(ここでは「夏の思い出」にしてEnterを押します)
もちろん、あとで決めてもいいので「夏の思い出(仮)」としておいて、いつでも変えたいときに変えてもいいです。
タイトル画面を作る
チャプター6のテキストと同じように、ステージ(背景)のはじめはタイトルから書くことにしましょう。
もちろん、「おわり」も作っておきましょう。
「ふくせい」でもいいのですが、Shift+クリックで複数選択できますので、その状態でCtrl+Cでコピーして、背景2に貼り付けると楽です
「コード」画面に戻り、背景のプログラムはテキストと同じ形でまずはやってみましょう。
ここから音を変えたい場合はもちろん、自由に変えてもOKです
構成を考えよう
いよいよここからオリジナル作品を作っていくワケですが、文字だけ変えただけだと何も楽しくないので、ここから工夫が必要です。
とはいえ、何も考えずに作るのは難しいので、どうやって場面切り替えをして行くのかを考えておくのがいいです。
紙に書き出すのもいいですよ。
今回はメンターが奈良に行った時の話を書くので、まずは使う写真を探します。
プログラムは「本」ではないので、ビジュアル的にインパクトがあるものがあると作りやすいです
また、同時に、話す内容と順番を決めます。
箇条書きにしてまとめておくと、構成やセリフが考えやすいです。
例えばこんな感じです。
- 奈良に行った
- 奈良県は名古屋から○分で行ける
- 大鳥居が有名な神社に行った
- 変わった鳥居を見かけた
- 有名なそうめんの店に行った
- 奈良はそうめんの町
- 1時間ならぶそうめんとは?
- 石舞台古墳に行った
- 古墳ってなんだ
- 意外とデカい(石棺デカい)
最初は多いぐらいでもいいので、書き出すだけ書き出して、作りながら「しんど・・・」と思うようなら削るなどしましょう。
読書感想文なども同じです。
ちなみに後で出てくる見本プログラムも、3の石舞台古墳まで作ると長くなるのでなくしました笑
nyaのセリフを工夫しよう
次は、スタジオでnya(ニャー)がしゃべるシーンをいじっていきましょう。
テキスト通りに「音声合成」機能を入れてから、プログラムを書いていきます。
テキストは「ねずみ」の声ですが、別のものにしても大丈夫です
ただし、セリフは変えていかないといけないので、そこは自由に変えていきましょう。
もちろん、キャラクターを変えても大丈夫です!
また、「表示」と「音声合成」で2箇所に同じ文を打つのは面倒くさいので、表示させたい文字を先に書き、文字を選択し、Ctrl+Cを押してコピー。
音声合成のらんにカーソルを移動させて、すべて消した上で(全選択されている状態なら不要)、Ctrl+Vで貼り付けすると、同じ文面がコピペされます。
さらにいうと、ずっとしゃべらせるプログラムは、同じ組み合わせのくり返しなので、くり返したいプログラムの一番上を右クリックして「ふくせい」を選びます。
すると、同じプログラムができるので、その調子で増やしていくととても楽です。
セリフの数はいくつでも構いませんが、次の場面へのつなぎ方が自然になるようにするとよいでしょう。
背景の準備
写真がある思い出の場合、写真をどう見せるかで印象がだいぶ変わりますが、写真は画面いっぱいに表示されるようにした方がいいので、「背景(ステージ)」に入れるのがシンプルです。
背景に入れると、背景を順番に切り替えるだけなので楽ですよ。
背景のアイコンをクリックせず、マウスを載せると出てくるメニューの「はいけいをアップロード」を選びます。
このとき、Ctrlを押しながらクリックするといくつも選べるので、いっぺんに取り込みたいときはこのテクニックを使いましょう。
なお、写真データはあらかじめパソコンに取り込んでおく必要がありますが、やり方は↓を参考に。
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スマホで撮った写真をパソコンに取り込む一番簡単な方法 - 価格.comマガジン
年末年始はスマートフォンのデータを整理するチャンス! スマホで撮影した写真をパソコンに取り込む一番簡単な方法を紹介する。
kakakumag.com
教室で作業する場合は、あらかじめメンターに写真をメールして下されば用意しておきます。
スクラッチの背景は横向き!写真を合わせよう
ちなみに、スマホで写真を撮ると基本縦向きですが、スクラッチの画面は横向きなので、そのまま取り込むと余白ができたものになります。
それでも問題なければいいのですが、画面いっぱいに拡大させたい!という場合は、画像をアップロードする前にあらかじめ、(Windows10の場合)エクスプローラーで画像ファイルを右クリック→「写真の編集」→「トリミングと回転」→「縦横比」→「横向きで作成する」にするとよいです。
なお、iPhoneは4:3ですが、Androidは機種や設定によって異なりますので、スクラッチの背景としてそのまま使いたい場合は、「4:3」にあらかじめ変えておく方が楽です。
面倒な場合は「ベクターに変換」をクリックすれば、選択ツールで大きさを変えられるようになります。
セリフに合わせて場面を切り替えていく
あとは会話の流れに合わせて、背景を切り替えていくプログラムを作ればよいです。
なお、テキストの見本は、中継先(リオのビーチ)で、ojiというキャラクター(なぜかテキスト上ではGIGAと呼んでいる)だけが一方的に話す、という内容ですが、ずーっと同じ人が話していると飽きるので、スタジオからnyaの質問が飛ぶように、ojiのプログラムの中に、nyaの音声だけ流す、というプログラムを入れました。
どんどんと会話をつなげて行くことができますが、チェックするのが大変なので、そういう場合はいったんブロックを切り離して、該当部分だけプログラムを動作させるのが良いです。
とくに音声合成は、漢字の読みを間違えることがあるからチェックしておきましょう!
どんどんアレンジしよう!
BGMやキャラクターなども、アレンジができますね。
BGMをスクラッチ上で入れる場合は、曲がくり返し再生されても違和感のない「ループ」から選びましょう。
それ以外に音を探したい場合は、素材サイトから自分でイメージに合う探してみるのもいいですね。
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参考Scratchで使えるイラスト&サウンド素材
Scratch(スクラッチ)では、自分で画像なり音声なりを読み込んでプログラムに組み込むことができます。 かといって、世の中には「著作権(ちょさくけん)」というのがあり、作った人が「こういう利用はヤダ ...
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個人的には、もともとの背景の、右上の「Weather forecast(天気予報)」は違和感があるので、それっぽく加工します。
このような形で、いろいろ好きにアレンジするだけでも、だいぶ「自分の作品」になります。
キャラクターを変えたり、何かしらアニメーションを入れても面白いですね。
なお、今回のメンターの作った見本は↓になります。
もちろん、「こんなことがあって楽しかった!」というのでもいいのですが、こんな感じで、調べたものを盛り込むのも自由研究っぽくてオススメですよ!
学校に提出するなら、QRコードにして印刷するのも面白いかも!?