先日、小6の子が参加する、鳥羽見寺子屋の英文法のクラスで、今は一般動詞をやっているのですが、ある質問をされました。
「学校で、seeとwatchの違いの説明を聞いたけど、まったくわからんかった」
あー、ありますよね。
日本語の「見る」に相当する、seeとwatch、そしてlookとの違いは英語学習者が最低一度は悩むあるあるですし。
と思ったので、先日みんなに買ってもらった、学書の塾教材「小学英単語800」にその見分けるポイントがイラスト付で載ってるよ!と紹介してあげたのです。
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小学校の英語の先生に言われたナゾの説明
しかし、どうも話を聞くと、彼らを混乱させている、学校の英語の先生(外国人)のひと言があると。
「どっちか忘れたけど、どっちかが外で、どっちがか中で使い分けるらしい」
・・・なんですと??
いや、
目に入ってくる「見る」がseeで、
動く物をあえて「観る」のがwatchで、
腕時計のwatchはあえて見るもので、
掛け時計が目に入るときはseeを使うんだよ、
・・・などの説明で納得してもらえたのですが、どうも違う説明をされたようで。
なんでそんなことになったのか詳しく聞くと、別の子が、
「外で見るがseeで、中で見るがwatchと説明されたんだけど、建物の中は外じゃないじゃん」
と。
建物??
・・・たしかに、私もモヤモヤしますね。
そこでちょいと調べてみましたよ、なんでそんな話になったのかと。
原因判明!その説明って混乱するよね?
とはいえ、出てくるのはよくある「注目して見るか、漠然と見るか」といった違いばかりだったので最初はよくわからなかったのですが、ある例文を見て、ハッとしました。
I'm going to see a movie tonight.
gabaStyleより
I'm going to watch a movie tonight.
これか!!
日本語では同じ「映画を観る(つもりだ)」だけど、英語では、
映画館のように目に入ってくるように見る場合はsee、
家のテレビのように注目してみる場合はwatch、
になるんですよね。
おそらくですが、学校の英語の先生が言いたかったのは、そういうことだったんでしょう。それをわかりやすく「中と外」と表現したのか、日本語で説明しなかったのかよくわかりませんが、それがかえって混乱を生んだようです。
(ちなみにスポーツなどもスタジアムで観戦する場合はseeを使うそうです)
昔はその辺細かく教えられることはなかったので、我々の感覚で行くと例文は「movie=watch」で使われることが多いので条件反射的に「watchじゃん」と思いがちですが、今はその辺、細かなニュアンスも正確に教えるような指導内容になっていますよね。
小学校だからこそ、よく起こる事態!?
でも、その理解って、小学生には難しい気がしなくもありません。
というのも、
中学校の英語の授業は外国人の先生+日本人の先生なので、理解できてないな、と思ったら英語の先生が日本語で「こういうことだよ」とフォローできますが、小学校ではそれが叶わない学校もあるので、子どもたちがわからないままでも進んでしまいやすい。
ここ名古屋市では時給2000円で外国語の先生を集めていますが、なぜか応募のチラシが日本語なので、日本語がまったく出来ない先生はいないと思いますが、言語の違いを子どもに言語化して説明するのは技術がいります。
そういう意味で、本来なら文法的な説明をするのは日本人の先生が必要なんですよね。
しかも、子どもたちは耳慣れないことは断片的にしか聞いてないことがよくありますし、言われたことを頭で整理して考える能力もまだまだまだ未熟です。
ですから、こちらが言ったことをそのまま受けとってくれる子ばかりではないのです。
(芦田愛菜さんくらい優秀なら話は別ですが、特殊なケースです😅)
難しいですよねぇ、子どもたちに教えるのって。
だからこそ、先生も成長していくわけですけど。
にしても、こういうことってきっと、たくさんあるんでしょうねぇ。
また、こういうのは、質問のしづらい一対多数の集団授業だとゼッタイに生まれる弊害なので、授業についていくのに必死だったら断片しか残らず間違っておぼえてしまう、ということもままあります。
たとえば、be動詞は前後をつなぐ「=」の働きをするから、「は」とおぼえてしまう、みたいなのはその最たる例ですね。
そして、その誤解のまま他に当てはめちゃったりするので、一般動詞の後にbe動詞を置いたり、明らかにおかしいこともおかしいと思わずにしちゃうようになったりするわけです。
小学生の英語は「丸投げ」にしないこと!
英語は極めて論理的な言語なので、寺子屋のプログラミング教室で使うScratchのように、正しい語順じゃないと意味が通らないことも多々あります。
(そういう意味で日本語からはプログラミングは生まれなかったでしょうね)
英文法クラスでは今は「be動詞と一般動詞の使い方の違い」にみっちり時間をかけていますが、前回、動詞としてのdrinkが出てきたときに
「drinkって飲み物って意味じゃないの?」
などの質問が出たので、英語における品詞や語順の大切さを理解してもらうために、時間をとって、drinkをどこに置いたら品詞がどう変わり、文全体がどんな意味になるかの解説をしました。
カリキュラムが予定通り進まなくても、中途半端な理解はケガの元ですからね!!
今回は寺子屋で子どもたちは疑問を解消できてよかったですが、英語を習っていない子の場合、こういうシチュエーションになった時に先生に聞ければいいのですが、それができないとモヤモヤ~っとしたまま取り組むことになるので、英語がずっと苦手なままになっちゃいます。
そういう意味で、英語の成績で困らないようにするためには、英語の疑問をぶつけられるような姿勢、学校的に言えば英語に「主体的に取り組む態度」を持てるようにしておかないといけないわけでです。
そして、そのためには英語が「嫌い」になる前に「好き」にさせることですね。
日本の英語教育は、普通にしてると中学校で英語が嫌いになるような設計ですから笑、本当に要注意です!
そのためには、子どもの疑問にはちゃんと向き合って、別に英語を習わなくても、ネットで検索すれば同じような疑問を抱えている人はいますから、それで解消するとかも出来ますからね。
そういう、ちょっとした努力が大事です。
別の言語なんですから。
そもそも、外国の言語を学びながら、外国の考え方や文化を学ぶからこそ、科目は「英語」じゃなくて「外国語」となっているんですから、「教えてくれる」と思わずに、親御さんも一緒に「理解しよう」と思うことがベストです!