みなさんがこれを読んでいるころには、大谷翔平選手がだれもやったことがない50本塁打50盗塁を超えているでしょう(断言)*。
*これを書いたのは9/17でしたが、翌々日には達成しておりました笑
大谷選手がすごいのはだれもが知っていることですが、彼のすごいところは、「とにかく野球が好きで、楽しい」という気持ちを誰よりも強く持ちつづけ、さらに結果も出していることです。
2500年前の中国にいた孔子(こうし)というエラい先生が、「何かをよく知っている人でも、それを好きな人にはかなわない。それを好きな人も、それを楽しむ人にはかなわない」的なことを言いましたが、大谷選手はまさにそのお手本のような存在です。
孔子の言葉
「子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者」
(氏曰(いわ)く、之(これ)を知る者は之を好む者に如(し)かず。
之を好む者は之を楽しむ者に如(し)かず。」
※不如=如かず=及ばない。「百聞は一見に如かず」
だから、「ゲームが好きで、一生ゲームだけしていたい、楽しいことだけしていたい」という考えでも、まちがっていない気もしますよね?
しかし、そんな言葉を聞くと、大谷選手の元通訳を思い出します。
彼は、ギャンブルが大好きで、やっているときは楽しくてしかたがなかったのでしょうが、ハマりすぎて、抜け出せなくなってしまいました。
あげくのはてに、大谷選手になりすまして26億4400万円 (!)もの大金をかってにギャンブルに使ってしまい、とうぜんながら通訳の仕事もできなくなりました。
つまり、「好き」や「楽しい」だけではダメなんですね。
ルールを守ることや、人をだまさないこと、人としてやるべきこともしっかりやらなきゃいけないんです。
その点、大谷選手は、自分が野球を楽しむだけじゃなく、グラウンドに落ちているゴミをひろったり、WBCで一緒になった日本語の話せないヌートバー選手に話しかけたりと、人としてやるべきことをしっかりやっているんですね。
だからこそ多くの人が、大谷選手が好きなことにとりくむことを応援し、その結果、大谷選手は自分だけでなく、応援する人たちにも、たくさんの楽しみを与えてくれるんです。
ちなみにこの孔子の言葉を大谷選手が知っているかですが、孔子の遺した言葉をまとめた『論語』について書かれた、あの新一万円札の渋沢栄一の著書『論語と算盤(そろばん)』を、日本ハム入団時に栗山監督から「読め」と渡されたので確実に知っていると思います。
➡論語と算盤オンラインでも読めます
(本コラムは鳥羽見小学校で配布された、寺子屋通信の内容を再掲しております)