学び舎コラム-出張版

やる気スイッチは押せない? 脳科学から見る「やる気」が起きない理由

鳥羽見寺子屋に来る多くの子は「勉強がキライ」と言います。

脳科学でも証明されていますが、人間、スキなことならがんばれますが、キライなことはがんばる気が起きません。

なので寺子屋では、友だち同士と好きな席に座ったり、お菓子を食べたりもOKとしています。
少しでもがんばる気を起こさせるためです。

脳のはたらきとしても、やる気が起きるまで待っていてもやる気は起きず、まずは「やり始める」ことで自然とやる気が生まれるようになっています。

ですから大事なのは、まずは勉強のスイッチを入れる環境を整えることが最優先ということですね。

日本中で親御さんに「勉強したの?」と言われ、「やろうと思っていたのに勉強する気がなくなった」というやりとりが行われておりますが、これはただのいいわけでなく、親御さんにむりやりスイッチを入れらてしまうと感じたから、という理由もあります。

そうならないためには、スイッチを本人に入れさせるようにし向けなければいけません。

そのためには、「この時間に勉強する」「この場所で勉強する」という習慣をつけることがまず第一。
そういう意味で「学校の時間割」や「チャイム」、「習い事に行く」というのもスイッチの役割をはたしているわけです(もちろん、誰しもすぐスイッチが入るわけではないですが笑)。

寺子屋でも初めは「勉強する気ゼロ」という感じで来る子もいますが、くり返し来ている内に自発的に「こういう問題をやりたい」と言い出します。

来ている内に、スイッチが作られるからですね。

スイッチは脳の回路の中に作られるので、本人のスイッチを「押してあげる」ではなく、スイッチを「入れられる環境を作ってあげる」ということが何より大事。

某塾のCMでも「押してあげるよ」と言ってませんよね?

押すのは本人、だからです。

(本コラムは鳥羽見小学校で配布された、寺子屋通信の内容を再掲しております)

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で『鳥羽見寺子屋』を主宰。子どもたちに寄りそうことを重視し、塾に行けない・行きたくない子・どんな子でも受け入れて学習指導をしています。 2024年からMOGU-teの経営を引き継ぎ、2階で寺子屋もやっている、作家です。教材を作ったりもしています。

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