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暑い!最新の熱中症対策は手のひら!?「AVA血管」を冷やして即効クールダウン!

鳥羽見寺子屋のある名古屋は昨日、梅雨明けしました。

昨日、寺子屋でそのことを子どもに告げたら、

「梅雨明け!?」

・・・というリアクション。でも、あまりにも夏本番なので、納得、という感じ。

それぐらい、暑い!!

 

そんなわけで6月ですが夏本番になってしまいました。

そこで、効率よく冷やす方法があるということで今日、テレビ(モーニングショー)でやっていたのが「AVA血管」

なんじゃそりゃ?

と思って話を聴いて、調べてみると、「こりゃみんなに知らせないと!」という事実が。

 

暑いときは「首」じゃなくて「手の平」を冷やす?

これまで、熱中症予防には、

「首とかを冷やすのがいい」なんて言われてきました。

でもこれはあくまで、
熱中症になったときに動脈を流れる血液を冷やす対処法で、

今はなんと、
「手のひら」の方が効果的に冷やすことができるという研究結果が出ているそうです。

 

そのことを発表したのは、
アメリカ・スタンフォード大学の生物学教授であるクレイグ・ヘラー博士。

ヘラー教授は、
スポーツ選手などの体温を下げる研究をしてきて、手のひらを冷やすことで体内の深部体温を下げ、運動のパフォーマンスを上げることを発見したそうです。

「いや、そりゃ当たり前じゃん?」

って思うかもしれませんけど、ただ冷やすだけじゃないというのが重要。

たとえば、
手のひらを冷やしたいからといって、保冷剤をにぎってもダメ。

適度な温度で冷やさないと効果がないということもわかっているそうです。

 

カギを握るのは「AVA血管」

そもそも、
手のひらを冷やすと体温が下がるのはなぜかというと、

手のひらにある「AVA血管」という血管の働きがあるそうです。

「AVA血管」は、日本語名の「動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)血管」という名前の通り、

動脈と静脈を吻合(結びつける)血管

のことで、ふだんは使われていない血管だそうです。

中学理科の血管では動脈と静脈は臓器を通してしかつながっていないように教えていますが、

こんな感じのやつね

実際には指先とかまで来た動脈は、毛細血管に入って、静脈になるんですよね。

AVA血管は、手のひらにあるそんな毛細血管の「バイパス」みたいな存在だそうで、ふだんは閉じているそうですが、体温が上がるとAVA血管が毛細血管の10倍ほどに広がり、毛細血管を流れる血液の1万倍!の血液が流れるとか。

そもそも、熱中症になったときに大動脈のある首や内ももを冷やすのは、血液を冷やすためです。

AVA血管のある手のひらを冷やすのもそれと同じ。

体温が高くなり、手のひらのAVA血管が解放されて大量の血液が流れるようになっている状態で、手のひらを冷やすことで、普通に毛細血管に頼って体温が下がるのを待つよりも早く、体温が下がる、というわけですね。

しかもすごいことに、「暑熱血管収縮反応」という、外部からの熱の流入を防ぐこともしてくれるとか*。

なおこのAVA血管、手のひら以外にも足の裏、顔にもあるのでもちろん、足を冷やしたり、顔を冷やしてもいい。

ただ、「手のひら」を冷やす方がすぐにできて楽ですよね。

なんで普段は開いてない?

AVA血管は、体温を調節するためだけの血管で、毛細血管のように細胞に酸素や栄養などを細胞に運んだりすることはしないそうです。

ちなみにAVA血管は、犬など他の哺乳類にはあるようです。

犬は「肉球で体温調節する」と言われたことがあるのはこれなんですねぇ。

 

ただただ冷やすだけじゃダメ!

とはいえこんな超便利な冷却血管が発見されたことはめでたいことですが、

「ただただ冷やす」というのでもダメだそうで。

たとえば、保冷剤を持てば効果が高いとかそんなことはなく、むしろ冷たすぎるとAVA血管が閉じてしまうらしい。

たしかに、冷却用の血管なので、表面温度が一時的に下がったら「開放する意味ないか」となっちゃいますね。

内部温度を下げたいのに、結果的に下げられない、といったことが起こりかねません。

 

では、どれくらいの温度がよいのか?

理想は「12~15℃」だそうです。

とはいえ、15℃と言われてもピンと来ないし、なかなかそんな都合のいいモノはない。

・・・いや、それ用の商品は存在していました。

まつうら工業さんの「アイスバッテリー」という、まさにAVA血管冷却用の商品。

なんなら、6/27~30まで、全国の学校を対象に無償で貸し出しするキャンペーンをやっているらしい(各校2つだけど・・・)。

【熱中症対策】NHKあさイチで紹介された、暑さ対策グッズ。中学校無け無償貸出し!:時事ドットコム

[まつうら工業]子供達の熱中症予防に、手のひら冷却(AVA血管)お試しください。松浦工業(大阪市 取締役 井戸英二)は、スポーツ界で広がる水分補給と同じ頻度で手のひらを15℃前後で冷やす事で、身体に冷えた血液が循環し、深部体温の上昇を抑え、熱中症予防に有効とされる「手のひら冷却」を、もっと多くの子供達が学校で実践できるよう、6/20に始めた小学校向け貸出しに加えて、中学校向け無償貸出しサービスの受付を6/27(月)より開始します。子供達が「手のひら冷却」を実践する姿と、期待できる効果はこちらのY…

ほかにも、スポーツメーカーのデサントさんからも、まんま手にはめる用の「コアクーラー」というものが出ています。

冷凍庫で冷やした保冷剤と違って、12℃という、冷たすぎない温度をキープする保冷剤をバンドで手のひらにとめる感じのやつですね。

実は蓄冷材自体は、あのテレビで有名なシャープが開発したもの(TEKION LABはそのブランド名)で、昨年の「ひと涼みアワード」なるものを受賞しているようです。

まぁ、文字通り「ひと涼み」するためのもので、長時間涼しくなるわけではないのですが、AVA血管が開いている(体内温度が高い時)用のものなので、商品としての狙いはよいですが、AVAのことを知らず「ぬるくなった!」とすぐ文句を言うのが消費者なので、普及はなかなかしないんじゃないかなぁ、という気がします。

 

おすすめはペットボトル! 他にも・・・

・・・ということで結果何がいいかというと、買ったばかりのペットボトルがいいそうです。

冷蔵庫はだいたい1~4℃に設定されていますので、冷蔵庫や自販機から出てきたペットボトルは適温からはちょっと低めの5℃くらいですが、この熱さですからすぐに温度は上がりますし、冷たいペットボトルを手に持っていると、手の熱で温度が上がり、ちょうどいい感じになるそうです。

しかも、結露して水滴がつくので、それが手につくことで気化熱も生みますね。

たしかに、一昨日の夜、蒸し暑い中犬の散歩に出て、犬を走らせて(ボーダーコリーなのでどんなに暑くても走りたがる)、あまりの熱さにペットボトルの水を買って飲ませましたが、その時、残りの水を持ちながら歩いていたら確かに急に涼しく感じたのは、ほどよくAVA血管を利用したクーリングができていたんでしょう。

子どもたちには「水筒」を持たせることが多いので、なかなかAVAを使ったクーリングはできないかもしれませんが、親御さん世代が子どもの頃とくらべて圧倒的に暑くなっているのが現代。

小銭を持たせたり、電子マネーをチャージしておくなどして、暑いときは冷たいペットボトル飲料を買って、AVA血管のある手のひらや顔を冷やして涼む、というのが熱中症予防に効果的、ということです。

こういうのが科学的に効果ありと証明されたわけです

あとはもうシンプルに、水で冷やすですね。

夏の水道水は温度が上がるので効果は薄いかもしれませんが、それでも、流水でザーッと流しながら冷やすことで手の温度を下げることは出来るハズですから、ペットボトルが頼れないなら積極的に水で手を冷やしたり、顔(飛び出ているところ)を冷やすのが効果的です。

まぁそれって昔からやってることといえばそうなのかもしれませんが、遠慮なくやりなさいと。むしろやりなさいと。

そういう時代になっているんですということですね。

今は幸いコロナ禍で、寺子屋では(アルコールよりも洗浄力が高いので)アルコールだけじゃなく「手洗い」をさせていますが、引き続きやっていこうと思いました。

 

参考サイト:NHK健康チャンネルFNNプライムオンラインAERA dot.日経グッデイWIRED

*永坂鉄夫、平田耕造、平井敦夫、平下政美「動脈吻合の体力医学的意義」

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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