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小学校から英語対策は必須!?~塾教材大手、学書さんのウェビナーに参加しました~

鳥羽見寺子屋は正確にいうと「塾」ではないのですが、塾用の教材の取扱があります。

キッカケはひょんなことでしたが、塾教材大手の「学書」さんの本社が名古屋にあって、なんなら私、メンターの自宅と寺子屋の会場である鳥羽見コミュニティセンターの中間地点にあるものだから、「送料」もかからず直接取りにいける(しかもすぐ用意してくれる)ということでとても重宝している、塾教材会社さんです。

鳥羽見寺子屋では、江戸時代の寺子屋同様、「その子その子に合わせた指導」をしており、共通の教材というものがあまりないため、いつも「ちょっと」しか買わないのに、非常に丁寧に対応されるのでコチラが恐縮することもあります。

そんな学書さんの新教材紹介をするWebセミナー(ウェビナー)があったので参加したのですが、やっぱりどこの塾さんも同じ学校教育の課題を抱えているんだなというような商品のラインナップでした。

 

今の塾に必要な教材とは?

紹介されていた教材は、

小学生用の英語単語帳「小学英単語800」

英語発話も学べるゲーム型のサービス「Hodoo English(フードゥーイングリッシュ)」

中3から高校につなぐブリッジ教材「高校への準備」

高校生用の教材「高校SPIRAL(スパイラル)」

の4点。

教材は4点ですが、実際は「小学生の英語強化の必要性」「高校生の勉強を一般塾も見る」という2つの視点で作られているのが面白いですね。

つまり、今までの「塾」ではターゲットではなかった層にアプローチできる教材ということですし、逆に言うと、そこに困っている学生が存在しているということでもあります。

小学生英語についてはあとで詳しく掘り下げますが、後者の、高校生の~というのは、「大学受験を意識した」というのではなく、高校の授業用の勉強が出来るように、ということです。

基本的に高校生が塾に行くのって、大学進学を目的とするため、大手の塾・予備校がその役割を担い、個人塾などは「小中学生のみ」というところが多かったんですよね。
それが、少子化もあったり、大学入試も推薦とかAO入試とか、普段の学校の勉強をキッチリやることを重視する傾向も増えているからだと思うんですけど、そういったことで、高校生の面倒を見る個人塾が増えているそうです。商業科とかからでも(私立)大学進学をする時代ですからね。

寺子屋でも中学まで通った子の場合は高校生も面倒見てますが、昔に比べるとやっぱり難しいですからね。
そういう、大学進学のためじゃない塾も今後必要になってくることでしょう。

 

小学生→中学生の英語には大きなギャップが存在する

まぁ、高校の話は一旦さておき、やっぱり気になったのが、小学生向けの英単語帳「小学英単語800」です。

学習指導要領では「600語くらい」を小学校の内に読めるように、としていますが、それより多い仕様になっているのは、中学への接続がスムーズに出来るようにでしょうね。

このウェビナーに参加したのもこれ目当てです。

というのも、やっぱり昨年度からの『学習指導要領』の改定で、鬼のように難しい中学英語で、多くの子どもたちが苦戦している現状を考えると、小学生の内から英語をしっかりやらないといけないと考えているからです。

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もちろん学書さんが、「小学英単語800」を作ったのも、同じ理由。

一応、学習指導要領でも、教科書会社でも「小中の接続はバッチリ」みたいなこと言っていますが、実際はもう、悲惨なもので

それは塾関係者が一律で言ってるやつですね。

学書さんのセミナーでは、それをうまいこと分析していましたね。

個人的に「あっ、言っちゃった!」と思ったのが、ALTという、英語を喋られる外国人の先生について「小学校はただのネイティブ」と評していたことですね。

いや、でも、ホントそうで。

中学の場合は、英語を専門に教える先生がいて、その上で「ネイティブの発音」を学ぶからまだいいんですけど、小学校の場合は、英語が専門じゃない先生が英語を教えて、そこに「ネイティブの発音」をかぶせるのは、どう考えても違いますよね。主導権は誰かと。

たとえばこれ、日本人が外国で、外国人で日本語を教えるイメージを考えてもらうとわかるんですけど、「日本語ではこうだよ」と言うのは、誰でも出来るんです。

でも、日本語がわからない人に、「日本語ではこうだよ」と言った所で、日本語が身につくわけではない

伝えただけで、できるようにさせているわけではないんです。

「外国語を教える」ということは、そもそも、自分の使っている母国語と何が違って、その点を踏まえて説明してくれないと、その時はわかった気になっても、「知った」だけであって、実際には身につかない。

これがまだ、「その言語を取得したい」という熱意のある大人ならまだしも、子ども相手ですからね。自分で勉強するはずないですから。

それじゃ、身につくはずがありませんよね。

でも、そういったことが、日本の小学校の英語教育で行われている、ということですね。

 

小学校で教える英語では、中学でついていけない

そんな感じで、小学校では、英語を専門的に教える先生もいない(喋るなんてそれこそな)中で、ネイティブもしくはネイティブレベルの英語でALTが話したところで、子どもたちがどれほど理解できるのか。

実際、ほとんど理解できないですよ。

なんとなくわかった気にはなるだけで。

(ただ、耳は育ってますよ、昔の子より全然)

ネイティブの表現をまねして、ネイティブっぽく話せたらとりあえずOK。書くのも何か見ながらでOK。

そんな教育が多くの小学校でされていて、で、中学校に入ったら、しょっぱなから、「be動詞」と「一般動詞」を同時の単元で登場させたりするわけです。

しかも、小学校では英単語のテストもないのに、「小学校で英単語を習っている」として教科書でもしれっと載ってるわけです。ほとんどの子は「え?そうだっけ?」ですよ。

東京書籍『NEW HORIZON English Corse 1』

だから、寺子屋の学区にある守山西中では、今の中1では、英単語の小テストを頻繁にやるようにしました。小学校で習っているとされている単語も対象です。

単語と文法は英語学習の両輪ですが、どっちも「なんとなく」で中学に来ていますからね。

その結果、学書さんによると、

  • 英語表現をなんとなくしかおぼえていない
  • 単語の発音や意味がわからない
  • 身近で基本的な単語が書けない
  • 文法表現になじめない

という現状があり、だから、小学生の内に、英単語を身につけておかないと、中学ではもうついていけない、となるから小学生用の英単語帳を出したと。

そこまでしないと、ついていけない子が多いと言うことですね。

実際、塾ブログNo.1で知られる岩倉の「さくら個別指導学習院」さんでも、記憶定着アプリ「モノグサ」を使って、小学生単語を身につけさせようとしていますし。

 

小学生に英語は必要か? 答えはモチロン・・・

それにしても、

「ホントに小学生にここまでやらせなきゃいけないの?」

という保護者さまの声が聞こえてきそうだし、

私も本音では同じなんですけど、でも、「そう」なんです!

やらせなきゃいけないのが現実です。

英語が「読む」「書く」「聞く」に加えて「話す」まで求められる4技能重視になったけれど、特に愛知県の高校入試は新しいテストでも「スピーキングなし」。

ってことは、三単現とか時制が間違っても、英語でコミュニケーションができれば「素晴らしい」とはならず、英語を、正確に読めて正確に書ける能力がやっぱり問われるわけで。

ってことは、正確に単語も書けて、文法もちゃんと理解していないといけない

別に、やらせたくはないです。

もっと楽しく英語を学んでほしいですからね。

でも、なかなかそういう枠組みになっていない。

残念でしかないです。

なので寺子屋でも、英語を楽しく学んで「話す」が出来るようにトレーニングする「英語クラス」と、学校で体系的に教えない英文法を基礎からコツコツ学ぶ「英文法クラス」をやっているわけですが、本当はもっと多くの人に参加してほしいくらい。

小学生だと1コマ500円ですからね、日本一安い英語塾だと思うんですが・・・困ってからじゃ手遅れなので・・・。

 

小学校から対策をしなくても大丈夫な子ってどんな子?

ちなみに、これも学書さんの言っていたことですが、現在の「直接教えない、『気づき』を重視する」小学校の英語の授業を受けた後、中学の英語にスムーズについていける子は、自分で「論理操作」ができる子に限られると。

たとえば、「that」には、「主語になる代名詞のthat(That is ○○.)」と「形容詞になるthat(That ○○ is nice.」があるということを、なんとなくでも理解できて、再現できる子ですね。

でも、それができる子って、そうそういない。

「that」の件は今まさに、小6向けの英文法クラスで教えているところですが、結構理解するのに時間がかかっています。

でも、理解させる事が大事ですので、時間をかけます。

中学校ではそんなこと出来ませんよね?

やらなきゃいけないカリキュラムに追われているので、「そんなこと」に時間をかけていられません。

その結果、どんどん、わからなくなって、結果的に嫌いになっていくのです、英語が。

昔から何も変わっていない。

そのために「楽しい小学英語」が始まったはずなのに、中学とのレベル差が違いすぎて、むしろ逆効果?という気さえします。

そんな中でも英語についていける、「なんとなくでも理解できる子」もいますけど、そもそもそういう子は、どの教科でも成績がいいですよ。

教科ごとに存在する、「ルール」を見出せるわけですからね。

だから、こういう子は、塾に行かなくてもそれなりの成績はとれます。

でも、ほとんどの子はそうではないですし、中学の英語は、「小学校で教えている」前提で、昔よりカリキュラムが前倒しになっているため、とてもハイスピードで進み、ついていけなくなります。

だから、何もしないのは大変です。

 

ちなみに学書さんのセミナーで紹介していた、「hudoo English」というデジタル教材ですが、全然期待しないで聞いていたのですが、アバターを使ってゲーム形式で「会話」と「タイピング」で英語表現を学んでいく感じの、結構イイ感じの教材でした。

初期費用がかかるのは、ローコスト運営をしている寺子屋としては導入が難しいなぁ~と思いつつ、とにかく、「発話」もしていかないと覚えないのが言語であるのも事実なので、その辺を意識した教材みたいですね。

よく使うフレーズ(チャンク)」を組み合わせて文を作る、という概念を取り入れているのも、新しいなと。

とにかく、塾ではそういった「小学英語→中学英語」のギャップを埋めるためにいろいろ取り組みをしているわけなんで、「何にもしなくても大丈夫」「なんとか自力で頑張れ」でなんとかなる子ばかりじゃないですよ!

という話でした。

とりあえず「小学英単語800」を注文してみたので、また手に入ったらご紹介できればなと思います。

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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