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家庭教育セミナーで頂いた質問に回答します!(今さらですが…)

もうすでに2ヶ月以上前のことですが、中学校で直接先生から聞いた話を踏まえて、「これからの教育制度と家庭での対策」をテーマにした、保護者向けの家庭教育セミナーを実施しました(ブログでは書かないでねと言われているのでセミナー形式)。

その時のアンケートにご協力いただき、満足度などはのきなみよかったですが、勧めたい度がじゃっかん低めでしたので頑張ります。

ただ、たくさんのご意見やご質問を頂いたのですが、なかなかお返事する時間がなかったので、抱えていた仕事も一段落して、コミセンも休みで寺子屋もない今、一気に回答することにしました。

遅くなってスミマセン!!

メチャクチャ長くなりますが、お待たせした分、1個1個できる限り丁寧に答えていきたいと思います!

ご自身とは関係ない質問でも役に立つこともあるかと思いますので、読んでいただけたら幸いです!

(なお、いただいたご意見は編集・再構成しています。あらかじめご了承ください)

いただいたご意見(学習編)

まずはじめは、セミナー中でも結構お話しさせてもらって、ほとんどの方が「初耳」だったやつですね。「自己調整」「振り返りシート」です。

振り返りシートは具体的にどのように書いたら、評価が上がるのでしょうか❓
子供にも分かりやすい感じで教えて頂けると、嬉しいです。

「振り返りシート」というのは、昨年度から始まった新しい「学習指導要領」の「主体的に取り組む態度」の評価をするために使われるツールのことです。

これまでは「関心・意欲・態度」として、「提出物」や文字通り「授業態度」などを評価の対象としていましたが、新しい学習指導要領では、そういったことではなく、「主体的に学習に取り組む態度」を評価することになりました。

鳥羽見寺子屋「家庭教育セミナー」の資料より

この件について話すと長くなるので経緯を簡単に説明すると、デジタル技術やAIなどが発達してきた「時代的背景」から、言われたことを(盲目的に)やるという、旧来の学生像から、新しい学生像を育てたいという意欲の表れです。

そして、この「主体的に学習に取り組む態度」の評価軸の1つに自己調整学習というのがあり、マネジメントサイクルである「Plan(計画する)→Do(実行する)→See(観察する)」ができているかどうかも問われます。

それを何十人も生徒を見ている先生が把握するには文書化してないと難しいので、そこで使われるのが「ふり返りシート」となるわけです。

つまり、ふり返りシートは「ただの感想」ではなく自分の①計画したこと(Plan)、②実行したこと(Do)、③それを踏まえてのできたこと・できなかったことの振り返り(See)、がキチンと書けていればいい点をつけやすいということですね。

いまの内申評価は「絶対評価」なので、本人的に考えて、行動に移して、それを次に活かすために省みることができているか? がキッチリ書けていれば先生としては評価しやすいと思います。
(もちろん、口だけじゃない必要がありますが・・・)

でも、そんなの中学生には指導しないとできないでしょ!とも思いますけどね。

と思ったら、こんなご意見も頂きました。

学校が重要だと掲げる自己調整力、というのはもちろん社会に出て働いて生きていくためにとても大事な力だと思います。
ただそれを評価の対象とするならば、自己調整力を身に付けるための導きを学校で丁寧にして欲しいと思いました。

たしかに、本当に「生徒指導」をするのであれば、そういう所からしてほしいものですね!

ただ、とはいいつつも、中学なんて教科担任制なので、先生ごとに教える(なんならちゃんと教えない?)ということがあるので、子どもたちにちゃんと身につけさせられるかは微妙な所ですね。

セミナーを聞いてから学校開放に行って授業を見てきました。振り返りシート使われてました。というか、(書いてと)伝えていました、かな。タブレットのロイロノートにあるみたいですね。
生徒の授業態度を見てて自由って少し無責任ですよね。と感じてしまいました。

ロイロノートというのは、名古屋市立小中学校のタブレットに採用されているICT教育ツールですね。そこでふり返りシートを記入させてそれを元に評価するんですね。

しかし、やっぱりというかなんというか、先生もキッチリ指導できていないのでは、というご意見でした。

たしかに、先生が教えなくても振り返りができる子は、そもそも成績もいいし、「主体的~」の部分も評価高いでしょうしね。そこの差を埋めずに、そこだけを評価するのはいかがなものかというご意見です。

そもそも、それぞれの教科について、「Plan(計画・準備)」して取り組む学生がどれくらいいるの?って話ですけど、逆に言えば、そこを盛り込む・盛り込まないで、振り返りの評価は変わるのかなと思います。

たとえば、教科書を授業の前日に一通り読んで、こういう所を重点的に聞こうと思った、授業で集中して聞いたが、わからないことは資料集で調べた・質問しに行った・ネットで調べた、なんて書けるとよいですね!

ほかにも、基本振り返りは単元ごと(小単元の場合も?)と思いますので、それぞれの単元の「めあて」を踏まえて授業や問題に取り組んだ上で、めあてがどれくらいできたのか、何なら数字で何パーセントぐらい理解できたとか振り返って(See)書いているとよいですね。
(それがくり返されて、なおかつグレードアップしていけば最高でしょうが)

でももうそれって、前の評価軸の「意欲」じゃん!って話ですが、そういう意味で、意欲の見える化」がポイントといえるかも知れませんね。

 

ほかにも「振り返り」でこんなご意見も頂きました。

娘に聞いたところ、二城小学校では単元毎にふり返りを書く機会があるそうです。
普段道徳など自分の意見を述べる授業がキライだと言っているので、ふり返りの感想しっかり書けているのかな?と一瞬不安になりましたが、どうやら4行は書くように頑張っているそうです。続けていってもらえれば、と思います。

小学生でも書くということでした。

ただ、振り返るポイントというのをきちんと指導しないと、ただの「感想」になってないかが心配ですね。

この辺はたぶん先生ごとに全然異なると思いますので(それもどうかと)、先生に「どういう風に書いた方がいいでしょう?」と尋ねるだけじゃなく「こう書いた方がわかりやすいですか?」「こういうことまでは書かなくていいですか?」のように、一から十まで教えて下さいというよりは、外堀から攻めるように聞けるのが理想ですね。

それだけでも「主体的に取り組んでるな」というのは伝わると思いますし、先生の「狙い」はわかりやすいと思います。

もちろんほとんどの子はそれができず、むしろ「書き方わからん!」「面倒くさい!」でしかなく、怒られないように「よくわかった」と適当に書く、といったことも起こるでしょう。

「わかってません」と書くと評価が下がりそうな気がするからですね。

勉強ができない子ほど「わかった」と平気でウソつきますが、でも実際は「こういうところがわからなかった」「どうすればいいのかわからない」と素直に書いた方がいいと思います。

そこでちゃんとアドバイスできない先生はダメですが、よほどヒドイ先生でない限り、なにがしらのヒントは与えてくれるはずです。むしろ、大概の先生は、できない子が成長しようとしてくれる方が、力を入れてくれますよ

 

いずれにしても大事なのは自己分析がキチンとできるかですね。

ということで、振り返りのポイントをまとめてみました!

ポイント

  • 文章の構成としては、
    Plan(準備・計画したこと)、
    Do(やったこと・やる時に気をつけたこと)、
    See(気づいたこと・できたことできなかったことの自己評価)
    という観点でまとめる
    ➡文章としても読みやすく「取り組み」として評価はつけやすい
  • 〔Plan〕単元ごとの「めあて」を踏まえてから、その単元の学習に入る。また、日々の学習において計画や準備をしっかりしておく
    ➡実は「Plan」がないと行き当たりばったりの感想になりがち
  • 〔Do〕ただただ「頑張った」「何時間勉強した」というだけでなく、より具体的にその単元ならではの「工夫」を書く
    ➡たとえばこういう苦手な問題があったから類題をたくさんするとか、図形なら作図のここを気をつけたとか。時間だけだと、対策が「次は○分増やす」と具体的なようで具体的でない対策になりがち
  • 〔See〕自分の現状認識を「俯瞰的」に自己分析すること。良く見せようとウソを書く必要はなく、むしろ厳しめに自分をジャッジした上で実際に次出来そうなことを書き、実行する
    ➡学校の先生は大勢の生徒を同時に見てるし、その子の能力を把握しているので、ウソはすぐわかる(むしろ、成績と振り返り内容がつり合ってないと「ちゃんと向き合ってない」として逆効果)

これらの点を意識して書いてみてください!

もっとも、普段からこの点意識して行動していれば書けるようになるし、成績もよくなりますが笑、逆にこういう風に「やらなきゃいけない」という習慣がつけばよいですね。

塾に行ってない、勉強のアドバイスをしてくれる人がいない、というのであれば、それを素直に書けばいいんです。大事なのは「成長したい」という想いを込めることですね。それは、知識・技能が低くても、主体的として評価してくれるはずです。

 

いただいたご意見(不安編)

ほかには学校に対してネガティブな意見も見られました。

中学3年の子供は内申点がかなり関わる真っ只中なので、もう少し前から改革して欲しかったなぁと思います。
小学6年の子供はこれから進む事になるので自律を念頭に置き子育てしていきたいと思います。
有意義な情報をありがとうございました。

改革って、タイミングがあるので難しいですよね。

でも逆に、改革し始めた時って、取り組みはし始めるけどそっちに全振りするという冒険は侵さず、様子を見ながら、今までの評価を現代風にアレンジする、という傾向が強いようです。

先生も人間ですし、長いことやって来た方法を、そんな急に変えられませんからね。ただ、新任の先生なら全振りするので気をつけた方がいいでしょう。

ただ、数年もすれば定着してきますので、下のお子さんはしっかり対策練った方がいいですね。

 

通知表の評価方法が変わっているのも全然知らず…。うちみたいに内気な子にはより難しいなと感じました。

結局「意欲」というところになるので、それを「態度」じゃなくて、ふり返りシートのような「文章」で判断するようになったと言うことなので、客観的な文章が書けるようにしておくと、内気な子でもきちんと評価をしてもらいやすくなったと言えます。

とはいえ、文章は書き続けないと上達しないところはあるので、自由作文を続けて自己表現として文章が書けるようになると本当はいいですけどね。

ご家庭でも言いにくいことは「手紙」みたいな形で書くようにするとか、あとは「日記」も自己分析と自己表現ができる能力が上がるツールなので、普段から日記をつけさせるとよいです(簡単なものでいいです。下記参照)。

もっともほとんどの子は続かないので、最初のうちはご家族で「日記の時間」を作るのが本当は望ましいですね。

理想は、親子間で日記の交換をすることです。これが小さい内からできれば(できれば笑)、子どもは真っ直ぐ素直に育ちます。

「なんでやるの?」

という気持ちになるかもしれませんが、結局、ハミガキと同じように習慣化しないと効果なんてわかりませんし、書いてこそ得られるものですからね。

日記は、振り返りができるツールなので、「3年日記」「5年日記」方式もオススメです。

幼児でも始められる3年日記のコツ:「笑って暮らそう」

ひらがなを書けるようになったころにおすすめしたいのが、日記です。 我が家では、私とヒー(5歳3カ月)の2人で、2019年1月1日から3年日記を始めました。 どうして3年か、普通の日記とどう違うのか、幼児でも続くコツなどをまとめました。

自分のことを振り返られるので、成長を実感出来ますし、「振り返る」習慣は、振り返っていいことがあるからこそ身につく物です。

とくに日記は自分としか比べませんし、基本、誰でも成長してますからね笑。自分に自信をつけるためにも持って来いのツールです

 

学校のお考えも知れて良かったです。
ただ、塾や家庭学習に重きを置いている感がカルチャーショックで義務教育なのに格差が生じてしまうのにはモヤモヤです。

とりあえず、学習の基礎的な部分は苦手が少なくなるようにしておこうと思います。

義務教育である中学校が基礎学習を学校以外に求めるのは、違和感と不安しかないですよね。

もっとも、塾に行ってテストの点が良くても、成績が上がりづらい、とはなっているので、勉強と言うよりは日常生活での基本もしっかり出来ないといけない、つまりいずれにせよ生活と学習を基礎からしっかり、ということが大事なんでしょうね。

ただ、受験ということを考えると物足りないかもですね。

その点を心配されている方は、ほかにも多かったです。

学力に関しては、学校では充分に力を入れてくれていないようで、点数重視の高校受験という現実と、自己調整力重視の理想がマッチングしていない...結局家庭に丸投げ、というのはいかがなものかと思ってしまいました。

この辺はセミナーでお話ししたことで私もまったく同感ですが、この問題の根っこは結構深いですね。

もともと、小中学校は「受験に対して」という意識は希薄です。それは、「義務教育」として、子どもたちを社会に出す上で必要なことを学ばせることが第一義としているからというのもあると思います。

実際、勉強を教えることよりも、生徒指導ができること、学級を運営することといったマネジメント能力が必要とされるのは、塾の講師と学校の教師との大きな違いですね。
学校行事とかも、実は学習指導要領にやれと載っているからやるのですが、生きることは勉強だけじゃないからです。

そういう意味で、昔から学力向上や高校受験については、生徒や家庭に丸投げというわけではないですが、学校の先生はどうしても塾講師ほど前のめりになってやることではないのが現実ですね。

もちろん、どの先生だって、生徒達に希望する道に進んでほしいと思っていますし、生活習慣や進路についてあれこれアドバイスもしてくれますが、塾の先生のように「これこれこうだからここを目指しましょう」とか「この子はこうだからこういった勉強をした方がいいです」みたいな、戦略や戦術を考えてくれることはまずないでしょう

(もっとも、塾は基本、戦術を教えてくれる所で、戦略を考えてくれる塾は少ないと思います)

逆に塾にとっては進学実績も大事だし、とにかく「結果」を出さないといけない立場ですので、そこに必死にもなりますよね(もちろん、子どものことも考えてますよ!)。

そういった立場の違いから、子どもにかけるエネルギーのかけどころは大きく異なります

とはいえ、親御さんの立場からすると、大学だって半数近くの子が行く時代になっているのだから、学校の勉強をガッツリやらせて、高校受験くらいもっと対策してくれよ、というのも気持ちとして自然ですが、先生が多忙なのも事実ですし、教育する側からすると、受験が教育の邪魔をしているという感覚すらあります。

落とすために作られた受験の問題ができても、「だから?」ってことも多いし、受験のスケジュールに合わせて、本来教えなきゃならないことも圧縮しなきゃいけなかったりするわけですからね。この、意識の違いは結構根深いですし、私立高校と公立高校でも、進学への雰囲気の違いにもつながります(私立→進学意識、公立→学びを深める意識)。

とはいえ、中学校も受験をまるっきり無視しているわけでもないです。

実際、3年の後半は「自習」のような形で学校で購入する受験教材「マイペース」や、自分が持って来た受験用教材をやる時間を設けたりしているので、受験対策を何もしていないわけではないのですが、結局それは「自習」でしかなく、やはり「塾」ほどには戦略的にとか、計画的にとかはできませんので、その辺、競争が激しい割に受験対策が昔と今も変わっていないことが問題といえるかもですね。

これは公立校の先生の公務員体質にもあると思うのですが、それ以上に、学校が見ているのは「生徒全体」であり、家庭が見ているのは「生徒個人」という視点の違いもありますので、なおさらそのギャップが気になると思います。

そのため、結局は塾を頼らざるを得ない、という仕組みがありますよね。

だから塾業界は成り立つので、それをある部分では昔より否定しなくなった分、塾がないと生徒の学力が上がらないというジレンマが起きている気もします。結局学校の授業の設計は「まん中」を見てるので、下の方の子は結構大変だなと。

そういう意味で、「平等な競争」というのは本当に難しいなと思います。

だからこそ寺子屋では、お困りのお子さんやご家庭の力になれるようにやっているのですが・・・。

 

学校の考えは確かに現実的ではないですが、改革していくことの苦労はとても分かります。
子供にとっていい学校になって欲しいと願います。

学校の先生は通常の業務だけでも大変なんですが、それに「改革」を入れてくのは本当に大変です。

意外と知られていないことですが、学校の先生は、学校教育法で「学習指導要領」に従わないとダメ、とされているんですね。

これは、日本の教育方針(学習指導要領)の基本スタンスが、全国一律で同じ水準の教育を受けさせる必要がある、と考えているからです。
これがあるから、引っ越しても(学力レベルの違いはあれど)内容的には同じ教育を受けられるし、私立の学校も同じカリキュラムを(授業方法や教科書は違うにしても)やります。なにより、全体の教育水準が著しく高く、教育格差は世界的に見ると著しく少ない

ちなみにアメリカで、妊娠中絶とか州ごとになんか凄いルールとか価値観がぜんぜん違うじゃん、というのがあるのは、州ごとに法律(教育法も)が違うからです(州≒国の感覚)。また、教育格差がひどいので、基本的な読み書きすらできない人がたくさんいます。日本では考えられません。

ちょっと話はそれましたが、そういう意味で日本の良さを作ってきた日本の教育でもありますが、だからこそ画一的教育が問題になり、だからこそ「いじめ」や「不登校」が生まれるとも言われるわけですね。もちろん、現場の先生の中には、そういう教育じゃダメ、という現場至上主義みたいな熱い先生もいますよね。

しかし、そういう人は管理職(校長や教頭)に進まず、生涯現場(つまり一教師)ということも多いので、管理職になると理想と現実の両方をバランス良く出来る能力が求められます。

そういう意味でも、管理職の教頭先生や校長先生というのは、実は大変な仕事なんですよね。現場一筋の先生は言うこと聞かないとか笑。学校は会社と違って先生の独立性が認められている稀有な職場なので(中学のテストの用紙とか全部バラバラですよね?会社じゃあり得ない!)、管理職(特に教頭は中間管理職)は大変です。

そんな学校で、理想と現実の狭間で、それでも改革を推し進めるというのは相当大変なので、ぜひとも温かい目で見守りつつ、提言できることはどんどんして行くとよいと思います、子どものために。

そういう意味で中学校のPTAっていうのは大事な組織だと思います。

PTA=行事みたいなイメージありますけど、中学はやっぱり「教育」について親御さんから提言する場所、という所になるべきだなと思います。「個人」よりも「保護者代表」の意見の方がやっぱり通りやすいですしね。

 

中学受験すべきかこのまま中学校に行かせるべきか悩ましいです。
(中略)ウチの子には、いったい何があっているのか、そしてどこまで教育費をかけるべきか、今回のセミナーで余計に分からなくなりました…

セミナーの参加者で多かった声は、「悩みが増えた」というご意見です。

悩ませてしまってスミマセン!

あまり地域で評判の良いとはいえない中学校が、色々とよい方向に変わっていっている旨をお話ししましたが、教育の評価制度も変わって、学校が求めることも変わっているのも事実。

そのことをお伝えしたかったのですが、「本当にこのまま中学校がよくなるの?」という疑問が残ったままなのも仕方ないですね。そもそも学校がそれを払拭しなければならないので・・・。

こればかりは一瞬で変わることもないので、見守る気持ちも必要かと思います。

 

中学校に通っているお友達のお母さんから、マイナスイメージばかりをききます。
自分の子供を、評判の良くない学校に行かせるしかないのは、不安でしかなく、今日のセミナーに伺いました。
教育に熱い先生は、いるのだろうか?
公立の先生は、数年で学校からいなくなるし、だからこそ、区単位、市単位、県単位で、同じように指導してほしいと感じます。

私立中学が、春から学校説明会やオープンキャンパスがあるように、公立中学でも、学校説明会をやってほしいと思いました。

公立中の場合は、ランチルーム体験とか、「紹介」のニュアンスが強いですよね。

私立みたいに獲得に必死になる必要もないし、その辺は公務員的発想なのでよほど受験で逃げる子ばかりで教室が空いてしまう、とならない限り、危機感を持って私立みたいにやることはないのが残念です。まぁ、多忙すぎてやりたくないでしょうし・・・。

ただ逆に、行政の管轄なので、市民には情報公開を求める権利もありますから、具体的に話を伺いたいと問い合わせるのが今のところ一番の近道なのかもしれません。どういう風に考えているのかとか。

その対応次第でも、信頼して預けていいのか否かの判断の材料にはなるかもしれません。

もっとも、学校が「改革したい」と思っているということは、問題をしっかり把握されているということですので、信じていくしかないのかなと。

なお、名古屋市は政令指定都市なので、教職員の採用・管理は名古屋市教育委員会の単位、それ以外の市町村は愛知県教育委員会の単位で行っているものの、学習指導要領に則っていればある程度裁量が学校にもあり、結局は管理職次第ですよね。

ちなみに先生の異動に関しては、大概の先生は通勤しやすい範囲で希望を出す形になるので、ある程度その先生が行く学校のエリアは固まるようですが、6年くらいで異動する感覚でいるようです。

そんなわけで視点を変えて、「同じ先生にずっと見てもらいたい!」というのなら私立中学がオススメです。
私立は異動がないですし、卒業後も先生を訪ねる、といったことも往々にしてあるようで、そういった「切れないつながり」があるのが私立中に行くメリットの1つです。先生からOBとつながって、仕事が広がるといった大学OBみたいなことが、中高であるのは私立ならでしょう。

逆に公立の場合は、人間関係を逐一構築していく必要がある一般社会の縮図でもありますので、私立一貫校出の子よりも、社会に出た時にそういうことで苦労しにくいとも言われています。

どちらも良し悪しありますので、疑問があればどちらにも学校に対して率直な疑問はぶつけて、お子さんにとって良い選択をしていただきたいですね。

 

いただいたご意見(ポジティブ編)

不安が生まれた方もいた反面、ポジティブに考えた方はすでに中学を卒業したお子さんをお持ちの方が多かったです。

参考にしていただければと思います!

正直、子どもが3人目なので何かあるものがあるのかと思いつつ申し込んだセミナーでした。
(中略)
結果、聞いてよかったなと思っています。現状を知れたので。
時代や評価が変わっても、親がやるべきことは変わらないと思っています。ただこう思えるのは3人目だからかもしれないですが。はじめてのお子さんをお持ちの方なら、話を聞いて不安でもあるだろうし色々と整理する時間は必要かもしれません。

ここは本当に難しい問題でした。

私も話すのが良いことなのか悪いことなのか手探りでしたが、やはり初めてのお子さんを持つ親御さんからしたら心配になる内容でしたよね。

でも、先輩の保護者の方からこう言っていただいたように、あくまでも家庭での教育方針の「根幹」は変えず、学校や時代などの「状況」に応じて合わせていく、対応していく、ということが大事なのかなと思います。

結局、文科省や学校は「全体」を見て動くしかないわけで、お子さん一人一人に責任を持つことはできません

その中で「個人」としてどう生きるか? どう育てるか?

ということになりますので、あまり不安になりすぎず、求められる学生像とバランスを取りながら、お子様が幸せになる方法を考えていくのが一番かなと思います。

結局、程度の違いはあれど、私立でも学習指導要領に則った学習や評価をしなければならないですからね(でないと補助金が出ない)。

なので、頼れる物は頼って、利用出来るものは利用する感じですね。

実際、きちんとした振り返りができる能力って、本当に求められていますからね。

就職活動での「エントリーシート」とかもその最たる例ですね。子どもの内からそういうことが出来ることも大切です。

 

ですから、「学校」にあまり依存せず、「家庭」でやれることをやるということも必要です。結局、学校は基本的に通り一辺倒のこと、「標準」を教えてくれるだけですからね。それが「普通」なんだと。

良い先生悪い先生はもう、出会いでしかないですからね。

そういう意味で、前向きに家庭でできることをする、というご意見もありました。

上の子の時から中学校も受験も大きく変化していたのでセミナー聞けて良かったです。
(中略)
家庭教育・子育てにおいてこれから何をすべきかがとても参考になりました(先に1人を育てるのに苦労してるので)。
難しいかも知れないですが、聞いてないのとは全く違うと思います。
まずは下の子にはたくさん読書をさせようと、直ぐに図書館へ行きました。
英語の単語、計算を中学までにしっかり勉強してもらいたいです。
勉強の必要性を伝えて、自主性・自律性を持ってやって欲しいものです。
聞いて思ったこと、やってみようと思うことを実現していきたいです。

塾の先生がよく思っていることですが、勉強って結局、「家庭学習」次第なんですよね。

塾を転々とされるご家庭にありがちですが、その子の能力や適性も踏まえずに、「結果」だけで判断して行動してしまうことがあります。

たとえば家で毎日10分も勉強していないのに、「塾に行ってるけど成績が上がらない!」というのはムリがあります。

学ぶ習慣、考える習慣がないのに成績が上がらないのは当然です。

ですから、子どもが小さい内は、歯を磨くのと同様、学ぶ事そのものを深く考えずに習慣化することが大事です。

そもそも、自分で学び、自分で考えられないと始まらないので、そのための習慣をご家庭で身につけるのが一番大切です。あくまでも塾や寺子屋はきっかけや補完であって、メインじゃありません。

そういう意味で、おうちでできることはおうちで、親御さんがしっかりと強い想いを持ってやっていただくのはとても良いことです!

なんなら、親御さんもPDSとかPDCAを回せていけると良いですね。

 

ずっと気になっていた情報が得られてとても嬉しいです。
これからの子供のお勉強・習い事対策に役に立ちました。ありがとうございました。

今回は守西中の話以外にも、学習指導要領の変更からの教育の変化、というテーマでもお話ししたので、あえて小学校(特に高学年)の保護者の方にも参加してもらいました。

学校に求められること、学校が生徒に求めること、家庭に求めることも変わって来ている「現実」があり、それに対応して行くには早めに手を打っておいた方がいいですからね。

とはいえ、何が正解かというのは決まっていません

ただ言えるのは、Googleレンズで宿題の答えも教えてくれるような時代、学校があろうとなかろうと子どもが自律して考えられるようになることが求められているのは事実です

スマホカメラを数式にかざすと解き方と解答が分かる Googleレンズの「宿題」機能に賛否、宿題の意義をあらためて問う - ねとらぼ

「単純計算は機械に任せて人間は論理を考えればいい」「自分で解かないと考える力を養えない」など、さまざまな意見が出ています。

そのためには、自分で考える習慣が必要なこと、また、そういう風に親御さんも仕向けていく必要がありますね。

といっても難しいので、まずは「頭を使うこと」に慣れてもらうのが一番ですね。

勉強系の習い事なら、「読解力」「計算力」は逆に今まで以上に大事になってくると思います。それがないと求められている「次のステップ」にいけませんので!

・・・というと習い事がたくさんできる家庭が有利、という風にも感じるかもしれませんし、寺子屋も習い事の1つとはいえますが、いずれにせよ大事なのは「選択と集中」です。

小学校中学年くらいまでならあれこれ薄く広くでもいいのですが、中学年~高学年になってくると自我がハッキリしてきますので、習い事も結局は取捨選択が必要です。

お子さんの「成長」が見られ、本人が実感できる習いごとをする、それがとにかく一番です!

簡単に言うと、本人のやる気もなく、能力や嗜好にも合ってない習い事はやめた方がいいです。

でも、才能を感じなくても「楽しい」「好き」なら続けた方がいいです。そういう感情があるだけで、結果につながらなくても、取り組む過程の中で得られるものがぜんぜん違いますし、続けていれば、才能がある子より上達するなんてことはよくあります(プロスポーツ選手とかも、No.2だったという人も多いです)。

自分の考えで「やる・やらない」を決める。

それがひいては「自律」ということにつながっていきますので!

かといって、「これはただの逃げだな」「遊びたいだけだな」という場合はちょっと違いますけどね。

 

セミナーそのものへの感想

その他にもセミナーに対してのいろんなご意見・ご感想をいただきました。ありがとうございます!

本日のセミナーはとても分かりやすく、具体的で良かったです。
建前ではない本音の部分が聞けたような気がしました。

私自身、色々セミナーに参加したり、会社でものべ1000人くらい相手にセミナーしてきたので、やっぱり皆さんが知りたいのは「本音」だと思うんですよね。

文科省の定めた「学習指導要領」は、社会的には成功しているけど教育関係者じゃない人も入っているので、「理想的すぎる」学生像を置いているところはあるなというのがやっぱり本音の所です

たぶんこれは私だけじゃなく、塾関係者(学校の先生も)はみんな思っているのでは・・・。

でもまぁ、「指針」なので理想像を置くのは悪いことではありませんが、半数は大学に行かないし、最近はジッと座ってられない子も多い学級も多いわけですから、その辺のことも考えてほしいなとは思います。

社会では広がっている「多様性(ダイバシティ)」というものが、なんか抜け落ちているような?

とはいえ、学校教育法で、学校は「学習指導要領」に従わなければいけない、とされているので、現場の先生も大変だと思いますが、そんな建前と本音がやはり存在にするのが日本の文化ですので、その両面を知った上で、どう生きていくか?・・・と考えるのも大事かなと思います(面倒くさいですね笑)。

 

地元ならではの色々な情報を頂き有益でした。本当に感謝しています。
保護者同士の話し合いや、田中さんに話の途中でも質問できれば更によくなると思います。

貴重なご意見ありがとうございます!

内容がもりもりで「質問はご自由に」と言いつつ全然途中でお話しができなかったので、セミナーの後個別でお話しできる方はお話ししましたが、次の「高校受験制度」のセミナーでは、今の時期に気になる「体験入学」について、学年の違う親御さん同士で情報交換をされていました。

やっぱり「生の情報」は親御さん同士にありますね。

今後セミナーをするとしたら、そういうセッションも作れるとよいですね。

 

中学校の中3向けの説明会にも行ったのですが、資料を読んでもよくわからなかったことが多かったので、より詳しい事が聞けてよかったです。高校によって一般入試の選考の計算方法の違いがあるのも初めて知りましたが、図で説明して頂きわかりやすかったです。

学校で配る進路用の資料は、いわゆる普通の高校受験以外もあれこれ書いているのと、「文書」になっているだけなので、極めてわかりづらいですよね。

基本お役所が作る物なので、大きく変えないということもありますが・・・子どもたちはもちろん、親御さんでもわかりづらいなら、一体誰のためになっているのか、というのをちょっと考えてほしいですね。

とはいえ期待しても難しいので、こちらでわかりやすくしていかないとなとも思いますが。

 

色々と分からない、知らない事ばかりだったのでとても参考になりました!
ただ親から子供への説明が難しく、言ってもあまり聞く耳もたないので、親もですが是非子供に聞かせたいなと思いました!

お子さんに説明するのは絶対に難しいですね!

よほど勉強が出来る子じゃない限り、同じようにセミナーやっても、真面目にきく子なんて1人くらいじゃないでしょうか?笑

そもそも、人から「評価される」ということがどういうことかわかっていない子が多い(というか普通な)ので、その辺の親御さんの経験談をお話になる方がたぶん効果的だと思います

血のつながった親御さんであれば、何かしら遺伝しているので、同じことが起こりうる可能性も高いですから、「恥をさらす」とは思わずに、「こういう苦労がお前にも待ち受けている可能性が大だ!」と現実を突きつけた方がいいかもしれません。

読書や計算、英語の重要性は、「やるように仕向ける」のが手っ取り早いかなと。いずれも続けなければ意味がないものですから!

あとは、普段から何ごとにも、「Plan(準備)」と「See(振り返り)」を意識させるようにするとだいぶ違うと思います。

子どもは基本、何でも行き当たりばったりですから、遊びでもちゃんと計画して、楽しんだ後の感想を言わせるときに「どうしたらよかったんだろね?」など工夫して、振り返りをさせるなどもできます。

「そのまま伝える」ではお役所といっしょですので笑、お子さんに伝わるように、生活の中に自然に組み込むのがオススメです!

 

その他にも、色々なご感想をいただきました。
皆さま、アンケートにご協力いただきありがとうございます!

ブログも拝見してますが、やはり直接聞くと分かりやすいですね。
これだけの話は子供が在校中でも聞けなかったので、どれだけ調べてまとめて頂けたのかを考えると感謝しか無いです。
場所代だけなんて本当に有難いです。

セミナー後に、私の為に長時間を割いて下さり本当にありがとうございました。
親として我が子をうまくサポートしてあげたいという気持ちがあるのですが、その適切な方法が分からず苦しんでおりました。

この度は貴重なお話をありがとうございました。
受講前はまだ早いかとも思いましたが、今の時期に聞いておいて良かったと思える内容も多く、大変参考になりました。

これからも学生達から受験や将来についてのメンターとして、頑張ってほしいです。

 

子どもの人生は子どもたちのもので、可能性は無限大です。

だから私が大事にしているのは、「こういう可能性がある」「こういう方法がある」という道標を作ってあげることかなと思っております。これはお子さんに限らず、ご家庭の保護者さまに対しても同じです。

皆さまも、うまく寺子屋を活用しながら、多くの子どもたちが「生まれてきて良かった」と感じながら、社会に貢献できる人になってくれたらなと思います。

最後に、遅くなりまして(長くなりまして)申し訳ありませんでした!!

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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