昨日の特別授業の後は「漢字マスター千字問」でした。
「千字問」は、古代中国で生まれ、奈良時代の正倉院にも残り、江戸時代の寺子屋でも使われた漢字・習字学習用のテキスト「千字文」にインスピレーションを受けて作った漢字プリントです。
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オリジナルの「千字文」は中国生まれなのでもちろん全編漢字なのですが、千字の漢字を使っているにもかかわらず、
重複漢字ナシ
四字で構成
ちゃんと文になっている
韻を踏んだ詩になっている
科学や倫理の事も書かれている
という、とんでもないテキストです。
これを作ったのは南北朝時代の官僚で文筆家の、周興嗣(しゅうこうし)。
時の皇帝(梁の武帝)に「こういうのを一晩で作れ」と言われたから作ったテキストですが、一晩で作った後、周興嗣は総白髪になった、という逸話があります。
鳥羽見寺子屋では、さすがにそこまでの覚悟を持ってはいませんが、
日常でよく使う漢字として小中学校で学ばないといけないとされる、いわゆる「常用漢字」が約2千漢字で、その内小学校で学ぶ漢字がその半分の約千漢字なので、「ちょうどいいな」と、「千字文」にあやかって、文章で漢字(と読み)を学ばせるドリル「千字問」としてしたためました。
基本「千字問」は学年ごとに分かれていますが、特に「学校で習った順」ではないため、習っていない漢字が出てきたらiPadで書き方や書き順をなぞり学習して、実際に書いてもらう形でどんどん先に進むことができるプリントです。
基本的には「おぼえる」→「ふりがな」→「なぞり」→「漢字を書く」というプロセスを一気に行うため、記憶力をフルに働かせないとできないプリントなので意外と疲れます(下の学年だとそうでもありませんが)。
そんな千字問を、地道にやってきた子がついに、小6の半分を過ぎました。
千字問は「やった感」を出すために、渡したクリアファイルに終わったプリントとと、クリアファイルの表面に「何文字覚えたか」という進捗を色塗りしてもらうようにしているのですが、よく見るとその子の進捗表はボロボロながらも(表に貼るから・・・)、たしかな成長の記録でもあります。
最近になって千字問を始めた子が、そんな歴史ある進捗表を見て言ってきたのがタイトルにもある、
「漢字マスターの小6が終わったら何かもらえるの?」
という質問でした。
なぬ?
たしかに千字(正確には1026文字)覚えることを目標とした「千字問」だけど、問題を作ることばかり考えて、ゴールした時のことを考えていなかったですね😅
まぁ、勉強の目的は物ではないし、一番進んでいる子は欲のない子なので、そんなこと気にはしないと思いますが、言われてみると、ここまで何年もかけてチャレンジし続けた進捗表を見ていると、何かあった方がいいような気もしてきました。
どうせなら「千」に絡む物がよいですが、書きやすいシャープペン「グラフギア1000」は寺子屋スタンプ200回で渡すものだし、なにがいいんでしょうね??
千なり?
千日餅?
千疋屋?
千と千尋?
・・・なんか、しっくり来るものがないですね。
う~ん、なかなか思い浮かびませんが、こんなことすら閃かない身からすると、一晩でもっとすごい物を作った周興嗣は天才を通り越して、バケモノですね。
そりゃ一晩で作ったら白髪にもなりますよ。
(↓はオリジナルの千字問全文。書き下し文付き)
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