メンターのひとり言

私立高校の推薦に合格!…は終わりじゃなく始まり!

今週は愛知県の私立高校推薦入試の結果発表があり、寺子屋に来ている子も、無事、推薦合格という報告を受けました。

まぁ、推薦の試験は基礎的な問題だし、面接も問題がないかチェックするくらいなので、推薦で落ちるということはほぼないのですが、それでも受験生としたら「ホッ」とするタイミングですよね。

もっとも学びに終わりはありませんので、すぐに期末テストが待っているわけですが、そこのテンションが上がらなくなるのがありがち。

これは別に中学生じゃなく、高校生だって同じですから、推薦の宿命といえば宿命です。

とはいえ、高校の方も、そのままでいいとは思っていません。

今、私立高校もほとんどが「大学進学」をウリにしているので、入学したはいいものの、大学を目指す授業についていけない子ばっかりじゃ困るんですよね

そのため、多くの私立高校で、推薦合格した子には、だいたい2月の説明会などで、高校入学までにかなりの分量の宿題を渡します(ないところはあるのだろうか??)。

やらなくても成績には関係ないようですが、入学後に実力テストがあったりするので、結局やらざるを得ないというのが実情でしょう。

今はこのように、学校向けに中学から高校までの「つなぎ」の教材(ブリッジ教材といいます)が色々販売されていて、各高校ごとに(公立も)、自分の学校の生徒に「これくらいやってほしい」というレベルのものをチョイスして渡してきます。

なので、当然のことながら、レベルの高い高校や学科の方が量が多かったり、分厚かったり・・・

それでも、これは高校からの「本当の意味の基準」を教えてくれる貴重な機会です。

「とりあえず、これだけやっておけば高校に来てもなんとかなるよ」

というメッセージというわけですね。

だから、テストがあろうとなかろうと、やっておいた方が絶対にいい。

この宿題に苦戦するようでは、高校では更に苦戦するというのが目に見えているわけですからね。

自分がニガテの部分を再度洗い直すこともできます。

とにかく、推薦の試験は「潜在能力の確認」程度ですが、そこからちゃんと伸びていないと話にならないよと。

一般で入ってくる子は、公立入試のために3月までずっと必死こいて勉強しているわけですからね。

「推薦受かった!やっと遊べる!」

と思う大部分の中学生が、ずっとそのままの感じだと、高校に入って苦しむのは目に見えているわけです。

でも、しょうがないんです。

大学に行くにはそれくらいやらないと。

特に最近は、国公立大でも2割以上、私立大なら半数以上が推薦選抜と総合型選抜(旧:AO入試)になっています。

【大学受験2022】私大、総合型・学校推薦型の入学者55.2% | リセマム
【大学受験2022】私大、総合型・学校推薦型の入学者55.2% | リセマム

 旺文社教育情報センターは2022年9月30日、「2022年私大一般選抜志願者数は大幅減からの反動なく前年並!」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。私大一般選抜の志願者はほぼ前年並みとなったが、 ...

resemom.jp

そのぶん、「入りやすくなった」ように感じるかもしれません。

でも、私立高校としては、系列以外の私立大学の推薦枠もキッチリ抑えておきたいので、「大学にヘンな生徒を送れない」というプレッシャーもありますから、昔みたいに「できない子はできなくていいよー」とはできません。中堅校どころか下位校まで「大学進学できる」をうたうわけですからね。

そういう意味で、大学受験そのものは簡単になったかもしれませんが、高校の授業のレベルは高くなっているように感じます。

今の私立高校にとって「大学に行ける」というのが、セールス上の一番のキラーフレーズですから、高校入試を推薦合格した子は、その、大人たちの商売の大きな流れの中にいるということを多少なりとも理解しておく必要があります。

極端に言うと、

「大学には行かせてくれるけど、言うことは聞かねばならない」

ということですね。

つまり、

私立高校に行った方が遊べない笑。

実際、授業時間も補習もテストも私立高の方が多い印象です。

いずれにせよ、私立推薦で合格したということは、そういうレールに乗っかったということです。

今は受験から解放された喜びを満喫してもよいですが、それを続けることがないよう、「これまでとは違う道」に進むことをキチンと受け入れて、やることをやってほしいですね。

当然のことながら、

「高校決まったから、期末はテキトーでいいや!」

という考えでは、高校でも苦労するのが目に見えているということです。

ちゃんとやっている子もいるわけですから。

高校は学力の似た子が集まるわけですが、だからこそ、「心持ち」の違いは、中学以上にのちのちの差に繋がって行きますからね!

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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