学び舎コラム-出張版

いつやるか? それは…イヤなことだけど、やらせるじゃなく

新年度が始まりました。

鳥羽見寺子屋では百名以上の子を見てきましたが、つくづく思うのは、小学校の勉強でつまずいたままだと、その先の中学校、高校でもつまづいたままになるな、ということ。

学校の勉強は実に体系的に作られていて、それまでの積み重ねがあってはじめて、新しい単元を取得できるようになっています。

たとえば、「わり算の筆算」が思うようにできない、というのは、「かけ算の暗算」や「引き算の筆算」がスムーズにできなかったり、「位」の概念がわからないことが原因だったりします。

他にも、中学以降の数学では方程式の文章題がよく出てきますが、小学校の算数で学ぶ「割合」や「速さ」はもちろん、それ以前の「分数」や「比」の概念がちゃんと理解できていなければ、解くことはなかなか難しかったりするものです。

そもそも、「基礎の定着」を重視する小学校で出てくるのは、基礎的な問題がほとんどです。

しかし、中学ではそれが半分程度になり、基礎がある上での応用や発展が求められるため、小学校の時と同じ成績をとれる子はごく一部になっていきます。

そのため、基礎がままならない子が中学で塾に入って「中学の勉強」をしても、残念ながら成績が伸びない、ということが多いのです。

つまり、小学校で基礎的な問題も「できない」というのをそのままにすればするほど、その先でする勉強がよけいに苦痛になり、しかも、必死の努力がムダになることすらあります。

ですから、小学校で「わからない」「できない」となったものをそのままにせず、“今の内に” できるようにさせる…ことも大切ですが、それ以上に、まずは、できないことに立ち向かえるように応援してあげる、から始めてみましょう。

学びは「急がば回れ」

歩みを止めないことが肝要なのです。

(本コラムは鳥羽見小学校で配布された、寺子屋通信の内容を再掲しております)

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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