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あの、エレン・ベーカー先生が帰ってくる!?(2024年小学校英語教科書改訂情報)

来年度(2024年度)から小学校の教科書が改訂されます。

鳥羽見寺子屋のブログでもたびたび取り上げている、2021年から始まった「小学校英語と中学英語の激しいギャップ」

参考中学英語が"3倍"難しくなっているので、対策必須です!

2021年度から、『学習指導要領』の全面改定により、中学英語が格段に難しくなりました。実際の新旧教科書を比較しながら、何が大変で、どんな対策が必要かをまとめました。

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『新学習指導要領』のおかげで、小学校の英語は会話主体なのに、中学になると、授業時間は変わらぬまま、話すだけじゃなくて、書く方も読む方も、それまで以上の英語レベルが要求され、全国的に定期テストの英語の平均点がかなり低い(40~50点台)という現状があり、新しい小学校の英語の教科書ではそれをふまえてどうなるのか!?

ということを知りたくて、塾教材会社、学書さんの「小学教科書改訂ミニセミナー」に参加しました。

やっぱりこれまでの教科書は○○だった!

セミナーでは、中学校の英語の教科書のシェアNo.1、東京書籍(東書)の『NEW HORIZON』の新しい教科書の説明資料が公開されているという情報が。

ピックアップして紹介してもらったのですが、個人的に印象的だったのがコレ↓。

東京書籍『令和6年度小学校 NEW HORIZON Elementary English Course 内容解説資料』より

先生の意見を取り入れ、「学びやすい単元構成への変更」ということで、

盛り込みすぎな単元をなだらかに

となっていました。

メンター

こんなにストレートに表現するとは

やっぱりみんな思ってましたよねぇ。

上記の例文を見てわかるように、今の教科書だと、小学生5年生で「can」とか「Who」とか習います

でも、書く練習はほとんどしません。

聞いて、話すだけ。

そんな状態ですから、表現はおぼえても、文法が身につくわけじゃない

メンター

くり返しやることもないですしね

助動詞と疑問詞というのはまったく共通点がないし、なんでこうなのかという説明も授業ではしない。

結果、何もおぼえてないというか、「聞いたことはある」という子がたくさん生まれただけでした。

メンター

中学で「習ったよね?」と出てくるんですが、ほとんどの子がわかっていません

そりゃそうでしょう、英語の時間しか英語話しませんしね。

しかし、「教えてるから」という前提で、そのまま中学で「can」も「who」を教科書でチョロッとやるだけで、中1の1学期のテストに出るわけです。恐ろしい。

東書さんもそれじゃマズいだろうということで、小学校も、文法表現(小学教科書では「言語材料」としています)ごとに単元を分けるようにした、ということでしょう。

それより気になったのが、イラスト!

セミナーが終わったので自分で東書さんのサイトに行って、資料をダウンロードしてみました。

ちなみに、教科書会社さんのサイトはだいたいどこでもそうですが、(先生用なんですが)教科書関連の資料が誰でも無料でダウンロードできるので、のぞいてみるのもオススメです。

メンター

どの単元がどんな狙いで、何を身につけさせたいか、ハッキリ書いてあったりします≒テストで狙われやすいポイントもなんとなくわかる

前回の中学改訂でも同様の資料が出て、それを見た塾関係者は一様にかなり衝撃を受けた内容でした。

それをふまえ、今回はどうだろうと見たわけです。

東京書籍『令和6年度小学校 NEW HORIZON Elementary English Course 内容解説資料』より

えらいマンガチックに!!

メンター

親御さんが見たら、「ホントに英語の教科書?」みたいな感じですね

よほど、いかにも教科書感の強い現行のものが不評だったのでしょうか?

キャラクターが、ザ・教科書の現行『NEW HORIZON Elementary English Course ⑥』より

いや~大きな変更点ですね。

メンター

これでは子どもの興味をひけない!となったのでしょう

やっぱりマンガ感が強めの方がよかった?

なんでこんな風に変わったかですが、実は以前、というか前の中学の教科書(2016~2020年度使用)が、それはもう、今回以上にマンガ感の強い作風だったんですよ。

目の大きいキャラが特徴的。
平成28〜令和2年度版『NEW HORIZON English Course➀』より

大人たちの中は「ふさわしくない」という人もいたようですが、子どもたちには大好評だったんですね。

なかでも、英語の先生である

「ベーカー先生がかわいすぎる」

として、Wikipediaに載るようなちょっとした社会問題にすらなりました

とにかくキュートなエレン・ベーカー先生。
平成28〜令和2年度版『NEW HORIZON English Course➀』より
メンター

大きなお友だちが、ベーカー先生を使った二次創作をするのが問題になったのです

おそらくそのことをふまえてか、2021年度からの新しい中学教科書では、作者さん(電柱棒さん)はちょっとした挿絵担当に変わってしまい(ベーカー先生も消える)、メインキャラはマンガ感を少し抑えたキャラに変わってしまいました。

現在はクック先生。
令和3年度中学校内容解説資料』より
メンター

個人的にはうまいバランスのデザインにしたなと思いましたが、子どもたちからは前の方がいいと不評でした……そりゃそうだろなと

それが、小学校のNEW HORIZONでは、前の中学のものほどではないけど、再びマンガ感の強いキャラクターになったわけですね。

メンター

やっぱり小学生だから、というのもあるのでしょうか??

新しいキャラのデザインはあの本の人!

で、新しい教科書のキャラクターデザインをどこかで見たことがあるな~と思ったら、資料の登場人物解説の所に作者さんの説明が載ってました。

東京書籍『令和6年度小学校 NEW HORIZON Elementary English Course 内容解説資料』より

池上彰さんが監修したベストセラー、『なぜ僕らは働くのか』のマンガを描いた佳奈さんでした。

メンター

東書の資料内のタイトル間違ってますね……
×『僕らはなぜ働くのか』
○『なぜ僕らは働くのか』

この本は、中高生向けに、働くってどういうことか? ということをマンガと解説で説明している大判の本です。

寺子屋にも置いてあったのですが、いつしか消えてしまいました……

メンター

どこ行ったんでしょう??

資料には、登場人物の紹介まで載っていました。

それこの資料に必要?

と思いましたが、後にその理由が判明することに。

東京書籍『令和6年度小学校 NEW HORIZON Elementary English Course 内容解説資料』より

まさかのアノ人がいる!

それにしても、最近は「国際化」を意識して、アメリカ以外の国の子も登場するようになってはいるものの、なぜか今度は「ケニ出身」、英語を話さないはずの「ブラジル出身」の子もいるんですね。

メンター

「ケニア」じゃないのはちょっとわかりませんが……英語的な発音だとそうなのかな?

今回は欧米ゼロにしちゃったんだ~と思いながら、

ふと、

目に留まったのが、

ん?

あれ?

東京書籍『令和6年度小学校 NEW HORIZON Elementary English Course 内容解説資料』より

ベーカー先生!?

え?

エレン・ベーカー先生じゃないですか??

しかもちゃんと

「以前は中学校のALTだった。」

と公式設定の説明書きまで!!

ネットでバズったベーカー先生が、

新しい中学教科書で消えたことで悲しまれたベーカー先生が、

まさかの小学校の教科書で復活!

したわけです。

いや~、驚きました。

Newベーカー先生はどこが違う?

それにしても、プロフィールを見る限り完全に同一人物ですが、イラストレーションが別の人なんで雰囲気も完全に別人ですね。

旧版ベーカー先生
新版ベーカー先生

あと気になるのは、ロングの髪をバッサリ短くしているところですね。

時が経ってイメチェンしたのか、子どもができたのかはわかりませんが、大人の事情なのか、とにかく落ち着いた感じになっています。

メンター

ちなみに前の前の教科書に登場した先生(ALT)は、ベーカー先生の地元の友だちという繋がりがあるので、東書さんの中ではいろいろ裏設定があるのだと思います

旧版ベーカー先生
新版ベーカー先生
メンター

「かわいすぎる」感は抑えられていますね。
(なんで日本語を話しているかは不明ですが)

なお、エレン・ベーカーはイラストレーターさんのものではなく、依頼した東京書籍さんの著作物なので、別に再登場してもイメージを変えても全然おかしくはないのですが、前を知っている人間からすると、違和感しかありませんね・・・。

東京書籍『令和6年度小学校 NEW HORIZON Elementary English Course 内容解説資料』より
メンター

両手でクロスして大人しくしているベーカー先生なんて、イメージとだいぶ違いますが……もっとオーバーなリアクションしているイメージです

Newベーカー先生はどうなる?

しかし、そこまでして「ベーカー先生」を再登場させたのはなぜですかね?

やっぱり前みたいにバズりたいんでしょうか?

・・・と邪推してしまいましたが、

以前の教科書に登場していたベーカー先生は、中1の頃は結構出ていたのですが、中2ではゼロ(留学の話なので)、中3ではチョロッとしか出てきませんから、英語初学者向けに、親しみをもたせる英語の先生=ベーカー先生、という役割だったのかなと思うので、

それほどまでに、小学英語が大変!ということの裏返しなのかもしれませんね。

というのも、資料や動画などを見る感じ、出てくる登場人物たちと一緒に成長していこう、という風に教科書を作った感があります。

しかし、現行の教科書だとキャラクターに感情移入できないので、「英語の世界」に入り込めない、という課題があるので、どんなキャラクターが出て、そのキャラに感情移入してもらおうという狙いがあるようです。

だからこそ、本来教科書の内容に言及する説明資料にも、登場人物紹介が載っていて、

今回は前回と違うんだぞ、

ということをアピールしているのかな、と感じました。

メンター

そこで、白羽の矢が立ったのがベーカー先生だったのでしょう。

他にも、コロナ禍のおかげで一気に進んだ学校でのPC普及に併せて、たくさんQRコードがつくようになり、動画などで楽しく学べる、となっていましたが、教科書を撮影して、というのがまだまだ日本の教科書問題が根深いなと。

メンター

教科書がデジタルで、ノートは紙がいいのですが……これだと結局「ランドセル重い問題」は何も解決しません

「とにかく子どもたちに英語に興味を持ってもらいたい!」

ということなのでしょうが、前のベーカー先生ほどバズらないくらいが、ちょうどいい?のかもしれません。

メンター

誰向け情報なのかは不明です……

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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