新型コロナウイルス感染症(covid-19)がインフルエンザ同等になって、マスクも基本外してOKになり、コロナ禍が落ち着いてきた感がありますので、今年の春休みは、結構旅行に行かれたり遊んだりすることと思います。
それはよいです。
鳥羽見寺子屋は「体験が大事」といつも言っていますし、
なんなら愛知県は来年度の二学期から「旅行も学びなら休んでもOK」という風になりますからね。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230317/k10014010981000.html
www3.nhk.or.jp
ですから、春休みに、大いに社会体験をする旅行。
それはよいですが、
よいのですが、
ちょっと待ってと。
いや、旅行を行くのをやめましょう、ということではないです。
言いたいのはそこではなく、
勉強
のことです。
春休みが短すぎる問題
基本的に、春休みって短すぎるんですよね。
夏休みの半分くらいしかありません。
それなのに、終わったらすぐ新学年です。
そこで何が起きるかというと、新しい学年の単元が始まるということですね。
当たり前と言えば当たり前ですが…
そもそも、3月で、前の学年の内容は「修了」、
つまり、一年間の学びを修めたということになっています。
だから3学期だけ「修了式」なんです
ですから、新しい学年では
「前の学年で教えたことは身についているよね?」
という前提で授業が進んでいきます。
中学校はさらにそれが顕著です
当たり前と言えば当たり前ですが、現実問題、みんながみんな、すべての単元をしっかりマスターしているわけではありません。
勉強が得意じゃない子もいるわけですし、
体調不良とか、コロナの濃厚接触者とかで、勉強に遅れが出る子もいます。
ということは、しっかり定着していないのに次の学年に進む危険性だってあるのです。
それなのに、復習に充てる時間が春休みは短い!
だから、夏休みにしっかり復習出来る9月新学期が理想なんですけどね…
特に今年の春休みは、みなさん長期旅行とかするでしょうから、もっと短い!
だからこそ、今年は特に、この一年の復習をしっかりしておかないと、今後が大変です、と。
特に小5算数の内容は復習必須!
そんなわけで、どの学年でも、この短い春休みでしっかり復習していただきたいわけですが、その中でも特に気をつけていただきたいのが、中学や高校に進学する子と、小学5年生!
進学する子はもちろん、自分と同じような学力の子が集まる上に、「わかっていること前提で」授業が行われるため、授業が難しくなるためです。
それはまぁ、多くの子(というか親御さん)がわかっているのでよいですが、気をつけてほしいのが小学5年生!
小5の単元に自信がない小6も!
なぜなら、あまり知られていませんが、今の小学5年生の算数は、超重要な単元を学ぶためです。
そもそも、小学校で子どもがつまずく単元トップ3は、
- 割合
- 速さ
- 分数の計算(の文章題)
と言われていますが(ベネッセ調べ)、このうちの「割合」と「速さ」をやるのが小学5年生なんです。
しかも、昔は「速さ」は小6で習う単元だったのですが、今は小5で習います。
新しい学習指導要領になったためです
そのため、多くの子がつまずくダブル単元を、小5で一気にやるわけです。
つまずきたくないところですね
もちろん、文科省も鬼ではないので、「割合」は2学期の終わりに、「速さ」は小6に近い3学期の終わりにすることで、負担感を減らしています。
また、「速さ」は小5の「○○m当たりの時間」という「単位量」という概念に結びつけて理解してもらう構成となっていますので、うまいことはまれば、ただただ「み・は・じ」の公式を使わずとも速さの概念が理解できるようにはなっています。
うまいことはまれば、です
でも、もし、この「割合」も「速さ」も中途半端な定着だったらどうなると思います??
・・・この後が大変なんです。
たとえば小6では、「割合」と「速さ」が、「分数の計算」の中に組み込まれて出てきます。
つまり、わかっている前提なのです
とはいえ、これは文章題なので、「応用問題だから難しかった」と言ってなんとかごまかせます笑。
でも、中学の数学(と理科)では確実につまずきます。
中学につまずかないための高学年の春休み
みなさんもご記憶にあると思いますが、数学の方程式を使った文章題って、「割合」とか「速さ」とか普通に出てきますよね?
理科だって、「質量パーセント濃度」「密度」などでも「割合」を使いますし、「音」「光」などでも「速さ」を使った問題が出てきます。
概念そのものは小学校で教えているし、それ以上発展させた内容ではないので、中学では公式を教えて、おぼえて使うだけです。
公式の丸暗記になりがちなヤツです
でも、丸暗記だけだと、応用問題が解けません。
とくに今のテストは、「思考力」を問う内容になっていて、長い文章を読み解かねばならず、何を問われて、どういう立式しないといけないのか考えることが求められているからです。
ですから、小学校で「割合」や「速さ」の概念が中途半端な定着をしている子は、中学以降の理数系のテストで安定的に平均点以上の良い点を取ることが難しくなったりします。
応用問題が解けませんからね
小学生の内は、公式に当てはめたり、数パターンぐらいしか計算方法がないので、
「わり算の順序を変えればいいか」
「わり算じゃなくてかけ算にすればいいか」
みたいな感じでなんとかなっていたり、文章問題だけできないからいいだろう、となりがちです。
ですが、小学校の算数で、文章問題ができないということは、単元の概念を理解していないということでもありますので、中学での応用ができないのです。
ですから、小学校の文章題を甘く見ないことです。
中学校と違って、小学校には「できなくてもいい」問題はありませんからね
たしかに、「できなくてもいいよ」とするのは簡単ですが、今はよくても、後々必ず苦労します。
中学に入って、
「授業で言っていることがわからない」
「塾に入ってもついていけない」
というのは、こういうところの定着が甘いままというケースが結構多いからです。
中学の勉強しながら小学校の復習が必要になるので大変です
もちろん、子どもたちがよくすがりつきたくなる、「低偏差力でも逆転した成功例」というのもありますが、数%以下のかなり珍しい例だから取り上げられるわけで、現実にはそんなにうまくいくことはありません。
「割合」がわからないと、こういったこともわからないのです!
今年の春休みは色んな意味で大事!
くり返しにはなりますが、今の学校制度では、
小5が終わった時点で「割合」と「速さ」は教えたことになっています。
小6でそれをご丁寧に一から十まで再指導してくれる時間はありません。
先生もなんとかしようと頑張ってくれるのですが、カリキュラム上、みっちり重要単元を復習する時間などないのです。
学習指導要領上では「修了」していますからね!
ですから、コロナ禍開けの楽しい春休みもよいのですが、春休み、少なくとも小6、中学の授業が本格的に始まる前までに、こういった「出来ていない単元」があれば、みっちりと復習しておくことをオススメしておきます。
もちろん、人によっては「違う単元の方ができない!」というのもありますから、「割合」「速さ」だけに限らずですが、とにかく、苦手をそのままにしないことが大事です。
「得意を伸ばす」もいいんですが、少なくとも小学校の内容では得意・不得意を作らない方がいいと思いますよ!
できないことに挑戦して、できるようになる経験も大事ですからね!
寺子屋は春休みに時間を拡大して開催中!
寺子屋では例年のごとく春休みに時間を拡大して、全体を対象とした「春期講習」ではなく、苦手をつぶすため、その子その子に合わせたプリント学習をさせておりますので、お忙しい中だとは思いますが、うまくご活用いただければな、と思います。
ご予約時にどんな所が苦手なのかお知らせいただけるとスムーズです!