寺子屋の学び

英語クラス今月の歌は「マクドナルド」の正しい発音から?

日本の学校英語ではほとんど教えない、「フォニックス」「リエゾン(リンキング)」を学ぶのに最適な英語のマザーグース。

参考英語の○○を学ぶには「マザーグース」が最適

鳥羽見寺子屋の英語クラスでは、今年度より、より英語が自然と身につくように、毎月「今月の歌」としてテーマを決めて、英語の「マザーグース」を歌うレッスンを取り入れています。

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月曜英語クラスの「今月の歌(マザーグース)」は、

Old MacDonald Had a Farmです。

Old MacDoland Had a Farmってどんな曲?

長ったらしいタイトルだなぁと思った方もおられるかもしれませんが、曲を聴けば、「ああ、あれか!」と思う人も多いかもしれません。

謎のフレーズ「イーアイ・イーアイ・オー」が印象的な、日本では小林幹治作詞の「ゆかいな牧場」の原曲ですね。

(Old MacDonald Had a Farm=マクドナルド爺さんの農場)

ちなみにこの曲は他にも、「スイカの名産地」や、大阪では「大阪うまいもんの歌」の原曲として、他にも「カーコンビニ倶楽部」や「アットホーム」などいろいろなCMにも使われています。

ちなみに「イーアイ・イーアイ・オー(E-I-E-I-O)」の意味は童謡あるあるで不明だそうですが笑、

この曲のさらに原曲と思わしき「Ohio(オハイオ)」には、「Ohio-i-o(オーハイ・オーイー・オー?)」となっていたので、それをもじったものだと思われます。

ま、日本でも様々な訳詞があったりCMにも使われていたので、もじりやすい歌ということでしょうが、「Ohio(オハイオ州)」に恨みでもあったのでしょうかねぇ?

 

タイトル発音のポイント!…の前に

この曲は、他のマザーグースと同じく、曲中でもタイトルを連呼します。

「Old MacDonald Had a Farm」の「MacDonald」は、日本語では「マクドナルド」と読みますが、英語の発音を日本人が聞くと「マクダーナー」とか「ムクドーノー」のように聞こえたりします。

アクセントは途中の大文字の「D」の後の「o」

そもそもなんで「D」が大文字なのかですが、「MacDonald」「Mac」の部分は、ゲール語で「~の息子(英語だとson)」という意味を持つ接頭語みたいなもの。

つまり、「MacDonald=ドナルドの子孫」ということを表す、ゲール語を使っていたアイルランドやスコットランド系の祖先を持つ人に多い名字だそうです。

参考

マクドナルド姓は、MacDonaldという表記の他、McDonaldやMacdonald表記もアリ。イギリスではまんま、「Donaldson(ドナルドソン)」になる

ちなみに、世界的ハンバーガーチェーン「McDonald's」(意味はマクドナルドの店)も日本では「マクドナルド」ですが、「Mac」ではなく「Mc」となっていますが意味も読みも同じで、アクセントは「Do」において、「Mc」を短めに同じように発音するんですね。

 

実はアレもコレも「マック」だった!

この、名前+子で名字を作るという仕組みを持つスコットランド系の名字というのは他にもいろいろあって、有名なところでは、学校の歴史で登場する、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー

スペルは「Douglas MacArthur」となっており、これも「アーサー(Arther)の子孫(Mac)」という意味で、スペル的に読むと「マクアーサー」ですが、実際には「マッカーサー」と聞こえるので、こう訳されているわけなんですね。

「Mac/Mc」を使うものは他にも、パソコンの「Mac(マック)」があり、これは「Macintosh(マッキントッシュ)」の略です。

これは、スコットランド系カナダ人のジョン・マッキントッシュ(John McIntosh)という人が作った「McIntosh(マッキントッシュ)」という、リンゴの品種にちなんで付けられています(McじゃなくMacにしたのはMcIntoshと名がつくオーディオ製品があったため)。

リンゴのマッキントッシュの写真(Wikipediaより)

アップル社(Apple)なので、製品名をリンゴの品種にした、というのがいかにもでオシャレですよね。

いずれにせよ、日本語的な発音で

MacDonald→マクドナルド
MacArthur→マクアーサー
Macintosh→マクイントッシュ

のように1音1音ハッキリと発音せず

MacDonald→マクダーノー
MacArthur→マクァーサー
Macintosh→マキントシュ

のように発音することが大事です。

 

1語1語にこだわらずに発音しよう

話は「Old MacDonald Had a Farm」の曲に戻って、歌の中での発音のポイントをまとめておきます。

リエゾン(リンキング)はくり返し発音しないと身につかないので、寺子屋の時間だけでなく、おうちでもくり返し歌って、なんならご家族みんなで歌いながらおぼえてほしいですね。

なお、歌詞は歌詞カードを渡していますが、簡単にまとめるとこんな感じ。

Old MacDonald had a farm, E-I-E-I-O.
(マクドナルド爺さんは牧場を持っている)
And on his farm he had a cow*, E-I-E-I-O. 
彼の牧場には牛がいる)
With a moo-moo** here and a moo-moo** there,
(こっちでモーモー あっちでモーモー)
*Here a moo*, there a moo**,
(こっちでモー、あっちでモー)
*Everywhere a moo-moo**,
(どこでもモーモー)
Old MacDonald had a farm, E-I-E-I-O.

*2番はduck、3番はhorse、4番はpigになる
**2番はquack、3番はneigh、4番はoinkになる

以下の点に注意してみてくださいね。

Old MacDonald had a farm

「Old」と「MacDonald」は続けて発音するので、Oldの「d」はあまり発音しません。

「had a farm」も冠詞の「a」は「had」とのつながり(リエゾン)で「had a→ハダ」のようになります。

「a」のリエゾンを身につけておくと、学校で発音するときも印象がぜんぜん違いますので、この曲ではくり返し言うところが多いからカンペキに身につけたい発音ですね!

And on his farm he had a cow

「on」などの前置詞はあまりハッキリと発音しないので、「And on his farm」は単語を読もうとする意識はせず、リズムに乗って発音したいですね。

親御さんは逆に単語を読めてしまうので言いづらいかと思いますが、各単語の子音をあまり気にせず発音すると言った方が親御さんにはわかりやすいかもしれませんね。

極端にいくと、エン・ドン・ヒッ・ファー・ミ・ハ・ダ・カウみたいな感じ?

With a moo-moo here and a moo-moo there

「with」は「~と一緒に」という意味でおなじみの単語ですが、ここでは「~を伴って」というニュアンスで使われています。

「here and there」は「こっちでもあっちでも」という慣用句で、こっちでもあっちでも鳴いてるよという意味に使われています。

「With a」もリエゾンで「ウィザ」みたいになり、

あとの「and a」もリエゾンで韻を踏んで「アンダ」のようになります。

ここの韻を踏むところは頭で考えるよりも、言いながらおぼえた方がいいですね。

なお、「moo-moo」は牛(cow)の鳴き声ですが、「モーモー」ではなく「ムームー」と発音します。

With an quack quack here and an quack quack there,

2番ではアヒル(duck)が「quack quack(クワックワッ)」と鳴きますが、これは「ゆかいな牧場」と同じ発音なので問題ないと思います。

With a neigh neigh here and a neigh neigh there,

3番では馬(horse)が難しくて、「neigh neigh(ネィ ネィ)」と鳴きます。

鳴き声も「えっ?」で、スペル見た親御さんはさらに「えっ?」と思うかもしれませんが、「n」+数字の「8(eight)」の「eigh」の部分の発音(フォニックス)ですね。なので、「ネー」ではなく「ネィ」のように発音します。

英語は同じスペルのところは同じ発音をする事が多いので、こういうのに見慣れておくと、「weight(重量)」「neighbor(隣人)」「neighborhood(近所)」などの発音でも苦労しませんよ。

このフォニックスを知らないと「weight」を「ウェイグフト」、「neighbor」を「ネイグフボル」みたいに読んでしまいますからね、とても会話で使うことはできないでしょうね

馬がネィと鳴くのかは不明ですが💦、どうもこれは擬音語ではないからっぽいですね。まぁ、そういうものということで笑

With an oink oink here and an oink oink there,

4番はもっと難しくて、豚(pig)が「oink(オインク)」と鳴きます。

日本人には「豚=ブーブーと鳴く」というイメージがあるから難しいですが、これもそういうものということで笑。

「オインクオインク」と「ク」をハッキリ発音して続けて言うのは絶対に難しいので、「オインオイン」くらいに子音が消えるくらいの方が歌いやすいでしょうね。

日本語的ではなく、リズムに乗って発音できるかがポイントです。

このようなところを意識して、お子さんと一緒に歌いながら、リエゾンが学べるとよいですね!

ちなみに豚の鳴き声「oink」ですが、愛知県の地元ブランド豚「三河おいんく豚」はここから命名しており、

鶏がコッカドゥードゥーと鳴くように、イギリスの豚は、ブヒブヒではなく、オインクと鳴きます。乳を吸うときに「ォインク、ォインク oink」と言っています。よーく聞いてみてくださいね。

有限会社オインクWebサイトより)

とのことなので、気になったので調べてみてもよいかもですね!

なお、豚がブーブー言う動詞と名詞は「grunt」という別の単語があるそうです。

 

大事なのはとにかくリズム!

英語圏での幼児教室や英会話教室でこういった「マザーグース」でリエゾンやフォニックスを学ぶのは、単語のスペルよりも「音」が大事だからですね。

日本人は

「単語のスペルが書けるようにならないといけないと!」

となりがちですが、英単語には音の法則がありますからね、英語の「音」の使い方をしっかり学ぶことを大切にした方が、のちのち、単語の記憶の定着が速くなります

急がば回れ、ですね。

そして、正しい発音も大事ですが、大事なのはとにかくリズム!

英語は日本語よりも「韻(いん)」を踏むことが多いので、リズムは取りやすいと思いますが、リズムに乗って、リエゾンやフォニックス、そしてアクセントの使い方も学べるとよいですね。

一朝一夕では身につかないものですが、歌うことをくり返しながら身につけていってほしいですね。

参考URL

Wikipedia、有限会社オインク

  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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