高校受験対策

【愛知公立高受験生必見】全県模試をやらないなら、○○は必ずチェック!過去問をマークシートでやるウラ技

一昨日の話ですが、名古屋に本社を置く、塾教材会社大手「学書」さんの展示会のため吹上ホールに行ってきました。

今年度から愛知県の公立高入試の試験がマークシートになるなどの変更があるので、やっぱりメインの展示は、愛知県の公立高校入試問題ソックリに作られた模擬テスト『愛知県版 入試6回』でした。

 

愛知県版 入試6回とは?

『愛知県版 入試6回』は、文字通り、愛知県の公立高入試問題を6回できるという、塾専用の教材です。

学書の高校入試模擬テスト「愛知県版入試6回」

受験対策として「過去問」が最も有効な対策というのは変わりませんが、基本的に過去問で出たものとまったく同じのは出ないですからね(英語の熟語はたまにある)。

ですから、塾では「力試し」や「本番の練習」を意図して、こういった模擬テストを使って、実戦である受験本番で確実に点数を獲る練習をするわけですね。

実戦形式というと、「愛知全県模試」がありますが、基本的に冬休みには終わってしまうので(直前に「リハーサルテスト」を申し込めば1回はできる)、塾ではこういった教材を最後の追い込み時にやるところもあるわけです。

ただ、塾専用教材なので、メルカリ※などで中古を買う以外では一般の人には手に入りません(寺子屋では買えます)。

ネットで中古を購入する際の注意

塾用教材はメルカリなどでも「塾で買ったけど使っていない」というものが売っていたりしますが、結構古いのもあるのでいつ買ったものか聞いた方がいいです。

なお、この『愛知県版入試6回』。
問題構成からレイアウトまで、おそろしいまでにソックリに作られた模擬テストで、さらに過去問にありがちな「本」形式ではなく、1教科1回ごとの「冊子」形式で、本番ソックリの解答用紙が入っていたり(なんなら「受験番号」を書く欄すらある)、本番さながらでできるのも魅力です。

昨年までのものの例

鳥羽見寺子屋でも、去年は寺子屋に中3の子が多数いたので「公立受験対策講座」を開催して、とにかくこの模擬テストで、志望校合格の目標点を取れるように何度も模擬テストを受けさせました

というのも、愛知県の公立入試は「上の高校から下の高校まで」同じ問題を使うため、多くの子にとって(苦手教科は特に)「絶対に本番中には解けないレベルの問題」があるため、基礎学力を付けつつ、「できる問題とできない問題」の切り分けをスムーズにして、取れる問題をキッチリ得点して、取りこぼしをなくすという訓練ですね(寺子屋では上位高を目指す子はほぼいないので・・・)。

全県模試では結構そういう問題の切り分けができずに、基礎的問題で取りこぼして志望校合格率50%判定😅だった子たちも、模擬テスト6回(&とみっちり基礎固め)をして、本番では「自分にとってのベスト」を尽くして全員無事に志望校に進学できました。

 

マークシートに完全対応した公立の模擬テスト

そんな『愛知県版 入試6回』が、今年度の入試改革に合わせて、マークシートに完全対応したわけです。

(あくまでもマークシート「型」の解答用紙であって、実際に機械に通すとかはないです。アプリで採点してくれると面白いですが)

塾用のチラシなのでQRからの読み込みはできません

内容についてはもちろんご紹介できませんが、解答用紙がマークシートになったということもあって、問題がほとんど選択肢になっているわけですね(数学の大問3だけ数字マーク)。

昨年度まで、社会とか理科の場合はもともと選択問題が多かったのですが、国・数・英は記述も結構ありましたからね。

それが数学の一部をのぞき全部選択問題になりますから、結構雰囲気が変わります。

逆に言うと、選択肢が6択とか8択もあって多いとはいえ、記述問題あるあるの「まったく書けない」ということがないので、教科によっては今までよりも平均点が上がるんじゃないかなぁという感じがします(実際、マークシートになると点数が上がります)。

特に英語は、単語を書けなくても選ぶだけですからね、漢字や長文のなくなった国語とともに、平均点はグッと上がるんじゃないかなと

そういう意味で、今までの目標点よりも高めに設定しないとマズいな、という感じがしました。

 

マークシートの練習は不要か必要か?

なお、入試6回のチラシにも記載されているように、これはあくまでも教育委員会が発表した「マークシートの見本」を元に作ったものなので、この『入試6回』は来年また改定されるようです

ですから、確実に「ソックリ」かどうかなのかはフタを開けてみないとわからないのですが、それでも、普通に過去問をやるよりは確実に本番に近い形でできるのはやっぱりメリットですよね。

解答用紙の「色」はもちろん、受験番号を書く欄もきっちりマークシートで再現されています。

昨年までは受験番号は数字を書くだけなので、大した時間はかかりませんでしたが、今回は数字を書いた上、さらに数字を塗りつぶすという作業もプラスされていますから、その辺、本当にちょっとですが、タイムロスになります。

特に時間が足りなくなる傾向がある数学とかは本当に注意が必要ですから、本番前から、これも加味した時間配分で練習をしておくといいでしょうね。

マークシートは「書き写し」に時間がかかったり、ミスが起きたりするので、全県模試とか模擬テストなどをするなどして、やはり一回も練習せず本番を迎える、というのは避けてほしいですね。

 

初のマークシートの全県模試で実際にあったミス

ちなみに、前回実施した「愛知全県模試」は初めてのマークシート形式(中3のみ)でしたが、模試が初めてじゃない子でも、次のような「マークシートならでは」のミスが実際にありました。

正解なのに「転記ミス」

問題用紙で出した答えと、解答用紙のマークした所が違うというパターンです。

数学は特に起こりやすくて、問題用紙に計算を書いて、選択肢に丸をつけた上で、解答用紙の同じ選択肢にマークすればいいだけなのですが、解答用紙はズレたところにマークしていたため、×となってしまいました。

マークシートじゃなくても起こり得るのですが、解答用紙だけ見ても違和感に気づかず、見直し時間がないと気づきにくいので、そういう意味で、時間が足りなくなりがちな数学は特に注意だなと。

せっかく正解していたのに、もったいない取りこぼしになってしまいますからね。

「問題飛ばし」したがためにズレてしまう

「わからない問題を飛ばす」というのも大事な戦術ですが、これまでの記述の解答用紙だと、どの問題がどの解答欄かというのがわかりやすかったのに、マークシートは番号で判断するしかないので、飛ばしたことを忘れて、続けてマークしてしまうパターンです。

たいがいは大問が切り替わる時に「合わない!?」と気づくので、そのまま提出することは少ないとは思いますが、それで一回消して、書き直すというのは結構なタイムロスです。

また、こういう時のことを考えると、細かく消せる消しゴムは必須かもしれませんね。

(数学)分子と分母をマークする順序を間違える

数学は大問3(図形問題)のみ数字のマークです。

二桁の数なら前から順番にでいいのですが、答えが分数になる問題もあって、その場合は「分子→分母」の順番で書かないと×ですが、読む感じでつい、「分母→分子」でマークしてしまうパターンですね。これも非常にもったいないです

愛知県教育委員会が発表した数学のマークの仕方

そんなわけで、特に「数学」は結構他の教科に比べて思ったより伸びない、といったことが起こり得る感じがしました。

今までも数学だけ平均点が低かったので、マークシートになっても同じかなと。

 

マークシート用教材も出ました

ちなみに、学書さんはさらに「マークシート対策」に特化した教材も今年出していて、それも展示がありました。

マークシート式高校入試トレーニング

「マークシート受験が増えているが対策教材が少ない」という全国の塾のニーズに応えて生まれたものだそうで、すべての問題がマークシート用になっていて、マークシート形式の解答用紙が「別冊」になっているという、まさに、マークシート専用教材。

逆に言うと、マークシートの部分だけコピーしておけば、何回でも出来るという意味では、とても使いやすい教材かなと思いました。

私立高校もマークシートで行っているところも多いので、公立に限らず使えるというのもよいですね。

ただ、ざっと見たところ、マークシートの選択肢が少ないような?

ほとんどが4択ですね。

数学は数字を塗る形式の問題もありますが、選択系の問題の選択肢が少ない気がしました。

愛知県の公立高入試は6択とか、ひどい時は9択とかありますからね

そういうことを考えると、愛知県公立高入試に絞ったマークシート対策としてはちょっと物足りないかなと。

ただ、

志望校がマークシートの私立で決まっていて過去問以外で実戦形式の演習をしたい

とか、

短時間で出来るだけ多くの入試問題を解きたい

というのであれば面白いかもですね。マークシート問題は選択問題が基本なので、書く時間が惜しいなら選択肢としてアリな教材です。

とはいえ、公立の場合は、マークシート対策は、全県模試とか『入試6回』をやっておいて、あとは普通の記述系の演習問題をやった方がいいかもなぁと思いました。4択でたまたま合っていたものを「出来た」と錯覚してしまうのは危険ですからねぇ。

勉強に対して真摯(しんし)に取り組む子ならよいのですが、「選択問題をうまく当てることも実力のうち」と思っているような生徒には相性の悪い教材です。

 

過去問での対策はどうなる?

ちなみに学書さんは公立高入試の過去問も出しているので、最新版を買ってきました。

2023年度版 愛知県版最新4年間問題集

本屋でも売っているのと何が違うのかというと、解答用紙も解答解説がそれぞれ別冊になっているのはぶっちゃけ便利ですね。

(リスニングがQRコードなのはたいがい対応)

解答用紙をコピーして何回も出来ますし、採点もしやすい。答えを見る心配もないし。

また、今のご時世、ネットでも過去問をダウンロードできますが、著作権の関係で国語の問題文はほぼ読めないし、社会も写真問題がわかりません。やはり本屋でも塾でも何でもいいのですが、過去問は一冊買っておくとよいでしょう。

それと、こういった「過去問」本は「傾向と対策」が載っているのはメリットですね。

どの単元が出たとか、どういう傾向かとかを簡単にまとめている(学書「愛知県版最新4年間問題集」より)

もう少しボリューミーでもいいのかなと個人的には思いますが、この辺はそれぞれの塾の情報力・分析力がベースにあるのかな?と。

ただ、当然のことながら過去問は「マークシートじゃない」ので、その辺、本番形式とはちょっと異なるので注意が必要ですね。

 

実は過去問がマークシート化されていた!?

しかし、そんなアナタに朗報です。

実は、この展示会の前日に、愛知県教育委員会のWebサイトで、昨年度の入試問題をマークシート化したものがネットで公開されたんです。

愛知公立入試数学(R4年度Aグループ)ビフォーアフター

Aグループの5教科の問題をむりやりマークシート化したものですが、こうやって並べると、同じ問題なんですが、パッと見てどうです?

なんか、今までよりカンタンになった感じしません?

だって、今まで「まったく見当違い」の答えを書いていても間違いに気づきにくかったですが、計算した結果がこの選択肢になかったら、「あれ?どこかおかしい?」って自分で気づけますからね

そういう意味で、答えから当たりを付られける能力を身につけている子は強いかもですね。

たとえば、ふだんから、わからない問題の解答を見てから、プロセスを考えるような子ですね。こういう子はミスが減って得点が伸びる可能性があります。

特に「記述」で苦戦していた子には、絞り込み力があればなんとなかりそうな問題になっているものもあります。

愛知公立入試国語(R4年度Aグループ)ビフォーアフター

こちらは国語ですが、倍の得点だった長文記述問題が複数選択になっています

「適当でないもの」「二つ」という形で問題の難易度を上げていますが、表現力が乏しい子でも絞り込みは出来るので、今までより時間をかけず、かつ得点しやすくはなっていると思います。

英語はとくに「単語が正しく書けない」「語順が怪しい」という子でも得点のチャンスが生まれました。

愛知公立入試英語(R4年度Aグループ)ビフォーアフター

単語を選ぶ形になるので、まったく見当違いの単語を書く、と言ったことは少なくなりますし、出てきた選択肢の単語を元にした表現を覚えていて、「あ、これは動名詞か!」など思い浮かべば、今までよりも得点が伸びやすいと思います。

とくに、下のように、今まで「英文」を書かなければいけなかった問題が選択肢になったのは大きな変化です(大問1だったものが2になっているので、2点問題から1点問題になるかも)。

「are you a stranger?=あなたは見知らぬ人ですか?」ってどんな選択肢や・・・

英語は本当に、出来ない子は本当に全然出来ないというのが目立つ教科(リスニング頼みが多い)でしたが、こうなることで、今まで以上に平均点が伸びてくることが想定されます。

文法がわからなくても、「単語」「慣用表現」「会話表現」を暗記しておくと、少なくとも今までよりは点が取りやすいと思います。
(とはいえ条件は他の人も一緒ですが!)

なお、これはあくまでも昨年度の問題をむりやりマークシート化したらこんな感じですよ、というあくまでもイメージなので、実際にこれをうのみにすると痛い目を見る可能性もあるので、その辺注意して下さい。

今回発表されたものは、県教育委員会が従前に発表した「解答用紙イメージ」より選択肢が少ないですからねぇ・・・実際はもっと選択肢が多い、と考えておいた方がいいでしょう。

初年度はおそらく簡単な問題になる傾向が予想されますが、それ言ったらみんな得点が上がるということですからね!

 

過去問のマークシートを使って解いてみよう!

ちなみに愛知県教育委員会のWebサイトでは、他に、マークシート形式にした解答用紙も公開されています。

これは実はとてもありがたいことで、過去問って、基本的に去年までの問題をそのままの形式で出しているんですけど、解答用紙もそのままなので記述式です。

ですが、昨年度の問題(Aグループ)のみ、こうやってマークシート化された問題と、それに対応したマークシート解答用紙が公開されているので、過去問なのにマークシート形式でチャレンジできるワケです。

R4年度英語の過去問をマークシート化した解答用紙

意外なウラ技じゃないですか?

 

もちろん、県教育委員会で公開されているものは「国語の長文」「社会の写真」がないので、結局は過去問の購入が必要ではありますが、それでも、

全県模試も受けない

塾に行かない

模擬テストも購入できない

という人には、最悪国語はさておき、無料でマークシートの実戦練習が過去問で出来ちゃうわけです。お安いですね。

 

理想はキチンとした準備をすること!

もちろん、模試を受けて、模擬テストもやれるのが本当は「理想」です。

ですが、模試を受けるのもお金がかかるし、塾もお金がかかりますから、必ずしもそれができる人ばかりではないとは思いますので、自力でも、愛知県教育委員会のホームページを活用し、

「こういう方法もあるよ~」
「最低限の対策はできるよ~」

というご案内でした。

やっぱり最低でも、模試は受けてほしい。

理想は「全県模試」+「過去問」(+「模擬テスト」)です。

スポーツの試合だって、練習試合を一回もせずに本番に向かうよりも、練習試合を何度もして、課題を洗い出して、「試合の勝ち方」を身につけて本番に向かわないと勝てませんからね!

特に今年から、長年実施されてきた「公立2校受験」が、2回のテストではなく1回のテストに変わっていますから、一発勝負に強くなるためには、実戦形式の練習が欠かせません!!

後悔のない受験をしてほしいですね!

吹上公園を見下ろす。紅葉が終わると本格的な受験シーズンですよ

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  • この記事を書いた人

メンター 田中聖斗

名古屋市守山区で地域の学び舎『鳥羽見寺子屋』を主宰。塾に行けない・行きたくない子の学習指導や、子どもたちの学びを促す特別授業をやっています。子どもたちに寄りそうことを重視し、どんな子でも受け入れています。作家・企画屋・家庭教育アドバイザー・教材開発者です。花粉症の舌禍免疫中のため、現在は年中メガネです。

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