鳥羽見寺子屋は塾ではなく「学習支援」という体ですが、塾と同様に愛知県下最大の高校入試模試、「愛知全県模試」も実施しています(〆切は過ぎていますが今週末に実施します)。
愛知全県模試(以下、全県模試)は最大時で受験生の半分が受験する模試です。
全県模試で出される合格率や偏差値なども結構参考になるのですが、模試を実施した塾には、それ以上に使える資料が毎年夏の全県模試の問題と一緒に送られてくるんですよ。
門外不出の入試のバイブル? NEXT STAGE
その資料の名は「愛知県公立・私立高校入試 合否追跡調査資料 NEXTSTAGE」。
全県模試を作っている「愛知県高校入試問題研究会」がまとめたもので、全県模試を受験した子が、
実際の高校入試で、どこに合格したか、どこに不合格したかというデータを集め、実際の合否と、合格者と不合格者それぞれの、模試での偏差値、内申点の情報が学校ごとにまとめた冊子で、これが超便利!
今はネットで「偏差値」と検索すれば出てきますが、あれはあくまでもだいたいの「レベル」を見るためのものでしかありません。
ところが全県模試の偏差値は、模試を受けたこの中でのその年の偏差値を出すわけです。そもそも偏差値は対象とする集団内のどの位置を測るかという物だから、受験する子にとってリアルな偏差値が出るわけです。
もちろん、全県模試を受けない子、参加しない塾もありますので、その偏差値も参考値でしかありませんが、県下最大の模試なので、他の偏差値よりもよほど信頼がおけます。
注意ポイント
2022年版は約2万ちょっとの受験生の追跡調査データだそうです
寺子屋は「偏差値」教育を推奨しているわけではないですが、やはりどのくらいの実力が必要とされるか?というのは偏差値のような指標が必要なのも事実。
だって名古屋は高校多過ぎですからね、絞り込みも必要です。
しかもこれ、偏差値だけじゃなく「内申点」も載っているのが大助かり。
志望する高校にどれくらいの内申点が必要なのかわかるわけですからね。
大手塾のようにマンパワーがある所以外には、救世主みたいな存在です。
ノドから手が出るほどほしいデータ
この「NEXT STAGE」の凄い所は、「受かった子の偏差値と内申点」「落ちた子の偏差値と内申点」の、それぞれ「平均」「最高」「最低」が載ってる所。
たとえば、A高校という高校があります。
まず、全県模試を受けた子で、A高校を受験した結果を教えてくれた人数の中から、何人が合格して、何人が不合格だったかという数字が出ます。
専門学科を受験する子は模試を受けない子も少なくないので、中には30人くらいしかサンプルがない場合もありますが、普通科の高校であれば、サンプル数は各校100~200人ぐらいいるので、結構アテになる数です。
さらにその子たちの、どういった成績で合格と不合格か分かれたかというデータも出ます。
(転載不可なので以下はイメージデータです)
平均偏差値 | 最高偏差値 | 最低偏差値 | 平均内申点 | 最高内申点 | 最低内申点 | |
合格者 | 55.5 | 69.2 | 47.2 | 35.2 | 42 | 26 |
不合格者 | 52.1 | 59.1 | 41.0 | 30.9 | 39 | 25 |
結構凄くないですか?
これは、生のデータ(の見本)です。
おもしろいのは、「最高」や「最低」で、不合格者の最高偏差値や内申より低い偏差値や内申の子が合格していたりするところですよね。
上記の例だと、合格者の平均偏差値が55.5で、最低偏差値が47.2なのに、偏差値59.1の子が不合格になっている。
内申点でも、合格者の最低内申点が26なのに、39点でも不合格になった子がいる。
愛知県の高校入試は、「内申点」が関わってきます(公立はとくに)。
偏差値というのはいわゆるテストの実力で、だいたい本番も似たような実力を発揮できるものですが、模試での偏差値が高くても、不合格の子もいるってことです。
逆に、内申が高くても、不合格になる子もいるわけで、両者のバランスが大事ということですね。
「受験」の戦略を考えることができます
この辺、不思議な現象に感じるかも知れませんが、「NEXT STAGE」では全県模試でおなじみ「偏差値と内申点」のマトリックスにしてくれるので、秘密がわかります。
偏差値(テスト)がよくても内申点が低くてダメだったり、内申点が高くても偏差値が低かったりするのでダメという子がやっぱりいるわけですね。
特に公立高校は、内申点+当日点という仕組みなので、これが特に有効です。
内申点だけ良くてもダメ、当日点だけ良くてもダメ、というのがこれを見るとよくわかるし、どれくらいのバランスなら合格できそうなのか?
つまり、「合格ライン」はどこなのか?
というのが、「NEXT STAGE」では全県模試以上に具体的にわかる、ということなんですね。
さらにNEXT STAGEでは、第1志望校と第2志望校の組み合わせの多いパターンとそのデータ、公立校の当日点での合格者と不合格者のデータなど、生徒の受験戦略を考える上で必要な、実践的なデータも入っているので、とにかく使えるんです笑。
もちろん、一般販売されていませんし、データ公開もしていません(転載不可なのに公開している塾があるのはなぜだろう・・・?)。
あと、残念ながら「NEXT STAGE」は偏差値順に並んでないし、どの区にあるとかとか、公立なら計算方式が何かとか、私立なら日程がいつか、共学かどうか、大学はどこかとかも書いてないし、そもそも紙データなので、毎年、NEXT STAGEが更新されるたびに寺子屋で使うためだけに必要な情報もまとめて手打ちでデータ化していますが、メチャめんどい💦。
でもまぁ、これがあると、地域ごととか、エリアごととか、偏差値や内申点でソートして志望校の絞り込みもできるので、寺子屋でもNEXT STAGEのおかげで塾のような受験指導ができるわけなので、ありがたいと思わないといけませんね。
にしても、データ見てて思ったのですが、私学人気は本当に凄いですねぇ。
愛知とか名電とか、特進じゃなく普通科の偏差値が60前後なんて、ホント、昔から考えると凄いことになっていますね。
受験生ではありませんが寺子屋に来ている子が「名電」などと口にしているので、厳しくせねば!!